表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サッカ☆エムシーズ!!  作者: えん
34/42

母の思い、しかしとぐろを巻く韻牙島

とぐろを巻く様に黒く沈んだ韻牙島、寮母に今までの経緯を打ち明けるスーコ。

初めて見るスーコの生活や家族とマケルの交流。

古い柏ノ木造りの扉を、スーコは礼儀正しく二度ノックした「どうぞ」と優しい声がして部屋に招かれた。

通された部屋の家具や調度品は寄付された物ばかりで不揃いだが、修繕されて美しく配置されそこに暮らす人間の人柄を表している。

寮母は「きちんとした椅子が無くてごめんなさい」と言いながら、机と椅子が一体となった学校の教室にある様な椅子を二脚用意してくれた


「マケルさん、スーコ…すももがいつもご迷惑をかけているんじゃ無いかしら」


寮母は心配そうにマケルの顔を見たが、マケルは


「いえ、僕の方が助けられる事になっちゃうと言うか…とにかく僕の方が面倒見られる方で」


と実に歯切れの悪い返事をしたが、寮母は笑いながら


「スーコがよそから男性を連れて来るなんて初めてだから、どんな人かと思っていたけれど、マケルさんの様に優しそうな人とご縁があるなんて。私はとても嬉しく思います」


と言いながら胸の前で十字を切った。

スーコは


「ご縁があるって言っても別に好きとかじゃねーよ、それにマケルは何で真っ赤な顔してんだ。ママ、さっき淳とティアラにママが入院中は皆の面度をちゃんと見る様に言ったよ、ちゃんと治してね」


それを聞いた寮母はやれやれと言った様に


「そうね、淳もティアラもあなたが14の時より常識はあるものね…ただ心配なのはあなたはどうなの?いつも糸の切れた凧みたいに帰って来ないけど」


マケルは韻牙島でのスーコの事を知っているだけに、恐る恐るスーコの顔を見たが、スーコは真剣な面持ちで椅子に深々と座り


「ママ、今だから全部話しておくね。まず…この孤児院に寄付して来たのはヒデとU次とアタシなんだ。フリースタイルバトルって言うラップでやる口喧嘩みたいなので勝った賞金…別に悪いことして儲けた金じゃ…」


と言いかけマケルの方をチラリと見て、マケルがまた複雑な表情をしているのを見て


「まあ、ちょっとだけ作戦で嘘ついちゃったりしたけど、そんなに悪いことして儲けた金じゃないんだ、だから安心して」


と言い直した、すると寮母は少し考えた後


「あなたを信じるは、それにあなた達が寄付してくれている事も実は亡くなったU次に聞いていたの…あの時止めてさえいれば、なんて思うけれど、そんな事を今言ってしまったら元もこもないわね…でもねスーコもマケルさんも、危ない事だけはしないで」


と言いうつ向いてしまった。

母が子供には自分の歩みたい道を行かせてやりたい反面、その世界が自分の知らない物で心配で仕方ない…と言った面持ちだ


「U次もヒデも帰って無い…私はもう子供を失いたくないの、あなた達が夢中になっているフリースタイルバトルと言うものが、あの韻牙島で行われている事も、あそこに集まる人達がフリースタイルバトルにとり憑かれている事も知っているけれど…」


と言いながら、少し高台に建っている孤児院の窓から見える、スモッグで曇った泪大橋と、とぐろを巻いた蛇の様に黒い山となった島の頂上に光る押韻学園の明かりを指して言った。

マケルはその押韻学園の生徒で、フリースタイルバトルにとり憑かれ、そしてスーコはあの黒々ととぐろを巻く韻牙島でレジェンド級ラッパーだ。寮母が続ける


「決してそれを否定しているのでは無いの、音楽に熱をあげるのは若い人の特権、でも怪我をしたり他の人に悲しい思いにさせないで欲しいの」


と心配そうにスーコとマケルを見つめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ