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サッカ☆エムシーズ!!  作者: えん
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カラリパヤット

ゴモラの怪力で殴られた髭の男は、フラフラと脳震盪を起こしそうになりながら、何とか立ち直りセグウェイにぶら下げていたラジカセのスイッチを入れ、昔のパンクバンドThe CrashのShould I Stay or Should I Goがネタになっているビートが流れた。


韻牙島の島民でラップをする者はどんな輩でもヒップホップ中毒者だ、イギリスのパンクバンドThe Crashがなぜネタになっているトラックを作らせたか、その理由を知らない者等いない、そのバンドがNYで公演する際、なんと80年代当時、黒人のニューウェーブと言われた新進気鋭のジャンル「ヒップホップ」のDJ「grandMaster flash」を前座に迎えた初の白人バンドだったからである。そのバンドの曲を使ったビートが流れ、ゴモラがラップを始めた


「恥かいたでしょ!僕はいつでも勝ちたいの!スーコちゃんペロペロ、していいでしょ?一生、僕が守れば島の物何でも手に入るよ?欲しいんでしょ?僕の事、でもまだ触らせないよ?僕の所に来るまでずっと!」


曰く付きのトラックなのに、ラップの内容はさておき、ゴモラの稚拙なラップにスーコは子供でもあやす様なラップで返答した


「おいおい…それ本気と書いてマジですか?だぜ?さわれないってか?さわらねえよ、つーかテメーの部屋に監視カメラ、仕込ませてもらった、お前の秘密ばらすかここでみんな、手下もドン引きあのおもちゃ、買ったのはドンキ?見た事ねえ形、ドMでそんで赤ちゃん言葉、モテねえ男の典型だ、その姉ちゃんはドSか?ケツ突きだしてひーこら言ってな?あ?ゴモラ、全部見せてもらった、ここだけの話しだ」


とラップしながら、スーコは靴のかかとから小さなSDカードと、腰のポーチからスマートフォンを取り出しチラチラと見せた、ゴモラはうろたえながらも返した


「え!?そんなのあり?それ犯罪じゃない?盗撮反対!あとあれ買ったのドンキじゃなくアマゾンだし!僕はSでもMでも無くリベラル!好きなのはオーラル!!隠し撮りしたそのディスク!買い取らせてもらうから!まったくー!」


御愁傷様と言ってからスーコが韻を踏みながら続ける


「はいはいお買い上げ、お値打ち価格100万円、性癖で自滅じゃ世話ねーぜ、全員意義はねえよな?ゴモラのあられもない姿、バラまかれるよかマシか、しゃーなしだな!素直に置いてけや金と車」


あっという間に勝負は付いてしまった、ゴモラが払うと言った時点でゴモラの敗けが確定だ、悔しそうに何か続け様とするゴモラを前にスーコは言った


「野良バトルで強いってのはな、ラップが出来るだけじゃダメだぜ?情報は宝だかんな、ダッハッハッハ!」


スーコの言葉に嘘は無い、喧嘩にルールは無く武器を使っても反則等と言われない。一瞬で片付く事もあれば、力が同等なら拮抗する場合もある、それと同じように今のバトルではスーコがゴモラの性癖を露に出来るとおぼしきSDをちらつかせ、ゴモラは勢いを失った。

韻牙島のチンピラはその場で賞金をかけた野良バトルを開く事も多々ある為、仲間と分配して現金を持ち歩く、勝者にその場で賞金を払わなければ、厄介な輩だと執拗に組織絡みで金をせびられ、挙げ句利子だと称してバトルで提示した金額以上にタカられる事もあるからだ。


手下の髭の男は周りの同じような格好をした連中に命じ金を集め、100万の札束を輪ゴムで止めスーコとマケルに向かって投げ渡した。

スーコはそれを拾い上げながら


「お金を投げるたぁーまた罰当たりだなぁ、しかしゴモラは相変わらず弱えーな、グループのリーダーなんだからテメエの性癖なんてデーンと公表しちまえっての、な!」


とマケルに同意を求める様に言った。マケルは「こっちにふらないで」と言った様にそっぽを向いていたが、それを見ていたゴモラが


「そんな恥ずかしいのはダメっ!そんな事よりおっぱい位触らせてよ!あと、その押韻学園の男子っ!僕はその子がバトルすると思ってたのに!それにカメラなんてどこに仕掛けてたの!?」


と言ったが、スーコはカメラについて何も言わず


「あ~、こいつはマケル、アタシの用心棒みたいなもんだよ、アタシがテメーのアジトから抜け出した時に追っ手を出しただろ?あんとき捕まって半殺しにされたからさ、押韻の裏番に守ってもらってんだよ。あ、ちなみに二晩も共にした仲です♡な?マケル♡」


と拾い上げた100万を胸元に挟み、そのままマケルの腕にしがみついた。マケルはどぎまぎしながら耳を真っ赤にして


「だだだだだだれが裏番ですか?そそそそそそんなの初耳ですが?」


と超どもりながら答えた、するとスーコはつまらなそうに


「なーんだ、あの時に責任持つって言ってくれたからさ、ラップ以外は守ってくれるんだと思ってた…ざーんねん…」


と少し悲しげに言ってみせた。マケルはそう言う否定のされかたが一番嫌いだ


「何だよ!分かったよ!用心棒でも何でもやってやるよ!こう見えたって小学生の時に空手習ってて茶帯まで行ったんだ!」


と言い、よく分からない空手らしき型をみせ、スーコがキャっキャと喜んだ。それを見ていたゴモラがしびれを切らせて


「もー!何で僕の前でイチャイチャするの!?あてつけ?!その押韻の男子が喧嘩強いんだったら僕のチームのカラリパヤットの達人と勝負ねっ!」


と言った瞬間褐色の肌の男が音も無くゴモラの前にスッと現れた。それを見たスーコは「やべえ」と呟き、車の助手席で騒いでいたマケルを押し倒し、運転席に飛び込み思い切りアクセルを踏み込んだ。

ギャーン!と車はタイヤを空回りさせて、アスファルトとタイヤの摩擦で白煙を上げ急発進した。

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