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お願いします!
私は女神アリアドネ。
死した者を次の世界に転生させるお仕事をしております。
ここに来た者の願いを聞き入れ、次の世界に送るのですが、最近の流行なのか記憶を持ったまま最強の力を与えて異世界に転生させるようにという願いが多いのです。
転生先はその方が願う通りの世界を転生と共に構築していくので同じ世界に強い力を持った者が複数現れるのはあまりありません。
そして今日もまた1人の若者が此処にやって来るのです。
「ここは?」
私の目の前にいる方はつい先程に下界で命を落とされました。
ゆっくりと落ち着いた口調で今の状況を理解しようとしています。
「私は女神アリアドネ。ここは死した者が来る転生の場所です。」
私の言葉で理解したのか大抵の方が陥る混乱をせずに落ち着き、今の状況を把握して私を見ています。
「そうか僕は死んだんだな…まぁつまらない人生だったし死んでよかったよ。」
彼は自分の死に後悔はないようです。
ここまで割り切ってる方は珍しいですね。
「ええ。貴方は死にここに来ました。ですので次の転生先に案内いまします。
何かお望みの願いはありますか?全て叶える事が可能ですよ。」
「何でも叶えられるのか?最強になり世界を救ったり欲望のままに生きることも?」
私の問いに彼は嬉しいのかにやけた表情で私を見てきます。
「ええ。貴方の思う通りに全て叶います。
時間はあるのでどのような世界に行きどう生きるか考えて下さい。」
彼は考え出し、暫くの時間が過ぎました。
今まで送った方と同じような世界を構築しそこで楽しく生きていくのでしょう。
死したものが次の世界で楽しく過ごせるよにするのも女神の仕事ですので。
「よし!決めた!!」
どのくらいの時間が経ったかわかりませんが彼は決めたようです。
「では貴方の望む物を伝えてください。」
彼の次の人生に幸せがあるように願いながら構築の準備に取り掛かります。
準備が終われば構築は勝手に行ってくれるので後は彼の願いをこの空間が世界に組み込むだけです。
しかし彼の口からは思いもよらない願いが放たれました。
「僕は次の世界には興味がないし行きたくもない。そうだな…僕がいや…俺が神となりこれから来る死んだ奴らを送ってやろう。
女神アリアドネと言ったな?手始めにお前を下界に落とし、これからのお前を見ておいてやろう。」
え?どういうこと?




