2-29 ……そうなり
……そうなりますよね。
でも、どこまでを言うべきか。
まだ会って三日目だけど、トーチライトさんとコールズさんを、私は信頼できる人たちだと思っている。その人たちを下の名前で呼び捨てにできるこの人を、私はどう、判断するべきか。
「言いづらいことなら、言わなくてもいいわよ。無理に聞き出したいわけじゃないから」
この人も、そういう考え方をする人なのか。
……もしかしたら、トーチライトさんやコールズさんの無理強いをしない感じというのは、レインツリーさんの影響なのかも知れないな。
よし。
「えーと、私の固有技能なのですが、あのー、〈ステータス画面〉と言いまして……使ってもいいですか?」
「うん」
「それでは」
動作なしに呼び出せる、というのは見せないようにしておこう。
両手で空中を掴むようにして……この方が出しやすい、というのは本当だし。
「このようにですね、自分のもの限定なんですが、ステータス情報を見るためのものを出すことができます」
「……へー」
あれ? トーチライトさん、コールズさんの時とは反応が違うな。
「それで、あのー、技能階梯が100でして」
「うん」
これも驚かないのか。
「まぁ、そんな感じなんですけど。高すぎるので、なんか、こう、上手く言えませんが、」
「情報図書館へのアクセスで、本来であれば知られるはずのない情報を引き出す手段を魔導として作り出すことができるかも知れない?」
……ピンポイントに、人が考えていることを言い当ててくる人なんだな、レインツリーさん。
「えー、まぁ、はい」
ていうか、いま、この人、情報図書館って言った?
……しまった。
「情報図書館の存在を知ってる人はね、そんなに多くない」
これが前提ね、とレインツリーさんが言った。
「それを知っている人の中で、という話になるけど、ステータス情報を確認する固有技能を持っていて、その技能階梯が100である、ということまで含めれば、あなたが情報図書館を知っている可能性について、辿り着ける人は、それなりにいると思う」
なるほど。
「トーチライトさんとコールズさんには、〈ステータス画面〉を見せたら苦笑いされてしまいまして」
「それが普通の反応でしょうね」
ふむ。
「うん、あなたの懸念については分かった。自分の力が、どういう風に利用されるか分からないとか、そういうことよね? この世界に余計な情報をもたらすんじゃないか」
……ここで頷いたら、そういうことを私ができてしまうと証明することになるけど。
覚悟を決めよう。




