2-27 そして眼
そして眼鏡女子。
「えーと、そうですね……分からないこと……」
あ。
「人間が、魔導学を発展させてきた、ということでいいんでしょうか?」
「人間って、人族のことよね?」
おぅ、しまった。
「そうです。すいません」
「謝んなくてもいいわ。確認したかっただけ。それで質問の答えだけど、それであってるわ。人族以外の種族は、自分たちの魔法を守ることに固執して、魔導学研究の初期の発展には全く、寄与していないから」
なるほど。ということは。
「王立図書院というのは、人族が設立したものなんですか?」
グランスローン王国の王都グレイルにある、ということでしたけど、人族以外の人たちが住んでいるところには、ないんでしょうか。
「人族以外の種族か」
レインツリーさんが、眼鏡をくいっとした。
「人族以外の種族は集落を形成して生活してる、という話は聞いてる?」
「はい。トーチライトさんから教わりました。国とかがあるわけではなくて、自治区みたいな感じなんですよね」
「そうそう」
「でも、まだ詳しくは理解できてないです」
「そっか。自治区って言っちゃうと、すごく規模が大きいものに思えるかも知れないけど……日本の農村地帯とかでさ、同じ名前の人がたくさんいる地域とかあるじゃない?」
日本の農村地帯?
「えー、まぁ、はい」
「あの感じ。ドワーフとゴブリンは同じ集落に住んでるし、エルフもオークと同じ集落に住んでたりするけど」
……へ?
「話を戻すわね。王立図書院が人族の設立したものなのか、という質問に対する答えは、イエス。補足すると、王立図書院っていうのは、グレイルにある魔導の研究と教育に関わる組織のことなの。グレイル以外の場所に、王立図書院を名乗る組織はないわ。以上が質問に対する答えとその補足。よろしい?」
はい。
ぬーん、それよりも、あのー。
「日本の農村地帯が例え話で出てきたのが、びっくりどっきり借金取りなんですけれども」
あー、そっちねー、とレインツリーさんが私の小ボケをスルーして言った。
「あたし、転生者」




