2-19 不足分
「不足分は、ご用立てしますよ?」
髪留めを手にとってじっと悩んでいた私に、グリーンリーフさんが声をかけてきた。
「……もしかして、口に出てました?」
「はい。出てました」
……なんか、催促したみたいでものすごく恥ずかしいんですけど。
「いえ、えーと、まずはバッグです。はい」
髪留めを元の位置にそっと戻しておく。銀貨一枚というお値段は、お返しポイントが五点ついているにしても、今の私には手が出ない。他にも必要なものがあるし、安易に使っていいお金でもないし。
しかしまぁ、たくさん……ぬ?
「あの、壁のところに飾ってあるやつって、非売品なんですかね?」
壁に小さな台がしつらえてあって、その上にちょこんと置いてある。見た目はとてもシンプルなヘアピンだけど、曲線がなんというか、きれい。飾りつけられているのは、桜の花びらっぽいもの。色は全体が銀色で、もしかして、銀製か?
「そうですね。今はもう、お店を閉めていらっしゃる宝飾師の方がお作りになられたものです」
へー。
「下世話な話なんですけど、やっぱり、お値段つけたらとんでもない金額なんですか?」
「宝飾品に詳しいわけではないのですが、郷里の者に、あの髪留めをお作りになられた方の工房のものを探して欲しいと頼まれたことがあったんです」
郷里の者……グリーンリーフさんは、フェザーフォールのご出身ではないのか。
「はい」
「それで、調べてみたところ、とても手の出る金額のものではなくて」
ほへー。
「金貨百枚とかですか」
なーんてね。
「そうですね。髪留めではなく、髪飾りでしたが」
……なんと。




