2-15 まずはラー
まずはラーメンのスープを。
「あ、おいしい」
染みる。そして、麺。
「んむ」
からの、スープをすくったれんげでチャーハンを一口。
あー、至福なり。
「ちょっと、すいません」
「ふぁい?」
追加の麺をすすってるところだったので、変な返事になってしまった。
スプリングフィールドさんが立ち上がって、そのままおばさんの方へ……って、もう、食べ終わってる!?
コールズさんもそうだったけど、転生者組合の職員さんはみんな、ご飯食べるのが早いのかな。
うーぬ。
あ。
「……デザートですか」
ホットのコーヒーと、ロールケーキらしきものを手に、スプリングフィールドさんが戻ってきた。そして再び、私の隣の席へ。
「はい。欠かせません。デザートは大事です」
確かに。
「私もなんか妙に、甘いものを身体が欲しているような気がしてまして」
「女は、みんなそうですよ」
スプリングフィールドさんがそう言って、トレイを返しに行った女の人に視線を向けた。
あ、ほんとだ。あの人も、なんか追加で頼んでる。
……プリンか。
でも、うーむ。甘いものって、疲れている時に欲しくなるような。
「なんか、皆さん、疲れた顔してますよね」
特に話すこともなくラーメン……いや、あれはうどんか。うどんとおにぎりを食べてる男の人二人組は、背中から疲労が滲み出していて、少し、どんよりしてる。
スプリングフィールドさんが、困った顔をして笑った。
「そうですね。先週から、色々と忙しくなったので」
魔物警報絡みかな。
「でも、大丈夫ですから」
ふーむ。
「私がこういうことを言っても、あまり、えーと、あれですけど、無理しないでくださいね。皆さん」
昨日、こちらの世界に来たばかりの私がこういうことを言っても、説得力その他もろもろは全くないけど。
「身体が元気じゃないと、頑張らないといけない時に頑張れないですもんね」
「そうですね」
ゆったりとコーヒーを飲みながら、スプリングフィールドさんが頷いた。
「ブロッサムさんも、ゆっくり、時間をかけてお食事をしてください。私のことは気になさらず」
静かな時間が流れていく。
窓が白く光った。きっと、雲が晴れたのだろう。流れ込む陽射しが、窓際のテーブルに暖かな色を零した。




