表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
83/1018

2-15 まずはラー

 まずはラーメンのスープを。


「あ、おいしい」


 染みる。そして、麺。


「んむ」


 からの、スープをすくったれんげでチャーハンを一口。

 あー、至福なり。


「ちょっと、すいません」

「ふぁい?」


 追加の麺をすすってるところだったので、変な返事になってしまった。

 スプリングフィールドさんが立ち上がって、そのままおばさんの方へ……って、もう、食べ終わってる!?

 コールズさんもそうだったけど、転生者組合(リレイターズ・ギルド)の職員さんはみんな、ご飯食べるのが早いのかな。

 うーぬ。

 あ。


「……デザートですか」


 ホットのコーヒーと、ロールケーキらしきものを手に、スプリングフィールドさんが戻ってきた。そして再び、私の隣の席へ。


「はい。欠かせません。デザートは大事です」


 確かに。


「私もなんか妙に、甘いものを身体が欲しているような気がしてまして」

「女は、みんなそうですよ」


 スプリングフィールドさんがそう言って、トレイを返しに行った女の人に視線を向けた。

 あ、ほんとだ。あの人も、なんか追加で頼んでる。

 ……プリンか。

 でも、うーむ。甘いものって、疲れている時に欲しくなるような。


「なんか、皆さん、疲れた顔してますよね」


 特に話すこともなくラーメン……いや、あれはうどんか。うどんとおにぎりを食べてる男の人二人組は、背中から疲労が滲み出していて、少し、どんよりしてる。

 スプリングフィールドさんが、困った顔をして笑った。


「そうですね。先週から、色々と忙しくなったので」


 魔物(キメラ)警報絡みかな。


「でも、大丈夫ですから」


 ふーむ。


「私がこういうことを言っても、あまり、えーと、あれですけど、無理しないでくださいね。皆さん」


 昨日、こちらの世界に来たばかりの私がこういうことを言っても、説得力その他もろもろは全くないけど。


「身体が元気じゃないと、頑張らないといけない時に頑張れないですもんね」

「そうですね」


 ゆったりとコーヒーを飲みながら、スプリングフィールドさんが頷いた。


「ブロッサムさんも、ゆっくり、時間をかけてお食事をしてください。私のことは気になさらず」


 静かな時間が流れていく。

 窓が白く光った。きっと、雲が晴れたのだろう。流れ込む陽射しが、窓際のテーブルに暖かな色を(こぼ)した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ