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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
79/1018

2-11 ……ま

「……ま、前ぇ、すいません」


 声を震わせながら、私の身体に、切った髪とかを受け止めるための布をかけてくれた。首回りがきつくならないよう、丁寧に調整してくれている。


「今日は、どうしましょうか」


 鏡越しに目を合わせてきたリードウィンドさんの顔に、思わず見入ってしまった。

 きれいな人だな。髪型は、金髪の三つ編みが左右に一つずつ。とてもよくお似合い。

 ファイアストーンさんは、黒みがかった茶色の髪を、後ろできゅっと一つに結んでる。紺色のリボンがかわいい。

 さて、私はどうしよう。


「えーと、そうですね。女として不自然にはならない範囲の限界まで、短くして頂けますか」


 ばっさりじょっきりと。


「え」


 リードウィンドさんが固まった。鏡の端に見える、スプリングフィールドさんとグリーンリーフさんも固まっているように見える。


「も、もったいないですよ。せっかく、ここまで伸ばしたのに」


 ファイアストーンさんが、多分、その場にいる女たちの気持ちを代弁して、そう言った。

 うーむ。


「いやー、今朝、起きたらですね。髪をきちんと乾かさないまま寝たからだと思うんですが、こう、なんかもう、髪が跳ね回ってまして」


 濡らしたタオルを使って元通りにするまで、ものすごく時間がかかったんです。


「あ、あと、この前髪、私がやらかしたんですけど、これはどうにもなりませんよね?」

「そう……ですね。でも、お似合いだと思いますよ」


 またまた。


「いえ、本当に」


 リードウィンドさんは、特に顔が笑ったりはしていない。スプリングフィールドさんには笑われたけど。

 ぬーん。


「正直、私、中身が元男子なので、女の人の常識的なことが全く、分からないと言いますかですね」

「あー、なるほど」


 驚かないのか。


「でしたら、女性らしくまずはしてみてはどうですか? 自分に合わないと思えば、また変えればよろしいと思います。髪を伸ばすのには、時間がかかりますから」


 ほーむ。


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