2-11 ……ま
「……ま、前ぇ、すいません」
声を震わせながら、私の身体に、切った髪とかを受け止めるための布をかけてくれた。首回りがきつくならないよう、丁寧に調整してくれている。
「今日は、どうしましょうか」
鏡越しに目を合わせてきたリードウィンドさんの顔に、思わず見入ってしまった。
きれいな人だな。髪型は、金髪の三つ編みが左右に一つずつ。とてもよくお似合い。
ファイアストーンさんは、黒みがかった茶色の髪を、後ろできゅっと一つに結んでる。紺色のリボンがかわいい。
さて、私はどうしよう。
「えーと、そうですね。女として不自然にはならない範囲の限界まで、短くして頂けますか」
ばっさりじょっきりと。
「え」
リードウィンドさんが固まった。鏡の端に見える、スプリングフィールドさんとグリーンリーフさんも固まっているように見える。
「も、もったいないですよ。せっかく、ここまで伸ばしたのに」
ファイアストーンさんが、多分、その場にいる女たちの気持ちを代弁して、そう言った。
うーむ。
「いやー、今朝、起きたらですね。髪をきちんと乾かさないまま寝たからだと思うんですが、こう、なんかもう、髪が跳ね回ってまして」
濡らしたタオルを使って元通りにするまで、ものすごく時間がかかったんです。
「あ、あと、この前髪、私がやらかしたんですけど、これはどうにもなりませんよね?」
「そう……ですね。でも、お似合いだと思いますよ」
またまた。
「いえ、本当に」
リードウィンドさんは、特に顔が笑ったりはしていない。スプリングフィールドさんには笑われたけど。
ぬーん。
「正直、私、中身が元男子なので、女の人の常識的なことが全く、分からないと言いますかですね」
「あー、なるほど」
驚かないのか。
「でしたら、女性らしくまずはしてみてはどうですか? 自分に合わないと思えば、また変えればよろしいと思います。髪を伸ばすのには、時間がかかりますから」
ほーむ。




