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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
71/1018

2-3 はーはー

 はーはー、なるほど。


「銀貨二枚と、銅貨四百枚なんですね」


 銅貨百枚を筒状の籠っぽいものに入れたものが三個、銅貨十枚を筒状の籠っぽいものに入れたのが十個。あと、布製のコインケースに入れられている銀貨が二枚。


「この方が使いやすいでしょう? 全部、銅貨にする? 銀貨を増やしてもいいけど」

「あー、いや、これで大丈夫です」

「いいのね? それじゃあ、ここに名前を書いてもらえるかしら」


 うぃ。ヨリコ・ブロッサム、と。


「はい、確かに。今月分のブロッサムさんへの支給は、以上です」

「大事に使いますね」


 そう言ったら、トーチライトさんが、ふふ、と笑った。


「足りないものがあったら言ってね。こちらで用意できるものもあるから」

「了解であります」


 グリーンリーフさんに色々とお話を伺った場所と、多分同じ部屋に、今は私とトーチライトさんしかいない。ここまで案内してくれたグリーンリーフさんは、先に、トーチライトさんと一緒に部屋にいたスプリングフィールドさんと二人で、戻って行ってしまった。


「『転生者(リレイター)のための世界知識』は持ってきてる?」

「ありますです」

「それを見ながら、話を聞いて欲しいんだけど、その前に。コールズくんから、魔物(キメラ)のことは聞いたのよね?」

「はい。詳しいことは、トーチライトさんからお話があるだろう、ということでした」

「ええ。そうね、どこから話そうかしら。昨日見た、馬車のこともそうだけど、まずは、転生者(リレイター)であるあなたに知っておいて欲しいことがあるの」


 ふむ。


「知っておいて欲しいこと、ですか」


 トーチライトさんが頷いた。


魔物(キメラ)は、その出現の予測が可能です。時期、場所の両方を、それなりに詳しくね」


 はへー。


「ただ、これには条件があってね」


 条件?


魔物(キメラ)は、転生者(リレイター)がいる場所の周囲には、絶対に現れないということが分かっているの」


 ……ふむ。


「でも、転生者(リレイター)が、今いる場所を変えると、別の場所に現れる可能性があります」


 ……むぅ。


「単刀直入に言うわ。転生者(リレイター)は、魔物(キメラ)の出現予測と切っても切れない関係にあって、居場所を常に転生者組合(リレイターズ・ギルド)に報告する義務を負います」


 あー、なるほど。


「そのー、どの程度の、行動の自由があるんでしょうか?」

「基本は自由よ」


 あ、そうなんですか。


「ただ、魔物(キメラ)の出現が予測されると、色々な組合(ギルド)にまずは通達がいくんだけど」


 うーむ。はい。


「その組合(ギルド)を通して、一般の方々に魔物(キメラ)の出現が伝わるようになっていて、魔物(キメラ)警報と言うんだけど、この警報が出ると、遠方への外出は控えてもらうことになります。一般の方も、転生者(リレイター)の方も、両方ね」


 あー、それで、馬車道なのに馬車があまり通っていなかったんですね。


「そういうこと。もう、警報が出てるのよ」


 ……おぅ。


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