2-3 はーはー
はーはー、なるほど。
「銀貨二枚と、銅貨四百枚なんですね」
銅貨百枚を筒状の籠っぽいものに入れたものが三個、銅貨十枚を筒状の籠っぽいものに入れたのが十個。あと、布製のコインケースに入れられている銀貨が二枚。
「この方が使いやすいでしょう? 全部、銅貨にする? 銀貨を増やしてもいいけど」
「あー、いや、これで大丈夫です」
「いいのね? それじゃあ、ここに名前を書いてもらえるかしら」
うぃ。ヨリコ・ブロッサム、と。
「はい、確かに。今月分のブロッサムさんへの支給は、以上です」
「大事に使いますね」
そう言ったら、トーチライトさんが、ふふ、と笑った。
「足りないものがあったら言ってね。こちらで用意できるものもあるから」
「了解であります」
グリーンリーフさんに色々とお話を伺った場所と、多分同じ部屋に、今は私とトーチライトさんしかいない。ここまで案内してくれたグリーンリーフさんは、先に、トーチライトさんと一緒に部屋にいたスプリングフィールドさんと二人で、戻って行ってしまった。
「『転生者のための世界知識』は持ってきてる?」
「ありますです」
「それを見ながら、話を聞いて欲しいんだけど、その前に。コールズくんから、魔物のことは聞いたのよね?」
「はい。詳しいことは、トーチライトさんからお話があるだろう、ということでした」
「ええ。そうね、どこから話そうかしら。昨日見た、馬車のこともそうだけど、まずは、転生者であるあなたに知っておいて欲しいことがあるの」
ふむ。
「知っておいて欲しいこと、ですか」
トーチライトさんが頷いた。
「魔物は、その出現の予測が可能です。時期、場所の両方を、それなりに詳しくね」
はへー。
「ただ、これには条件があってね」
条件?
「魔物は、転生者がいる場所の周囲には、絶対に現れないということが分かっているの」
……ふむ。
「でも、転生者が、今いる場所を変えると、別の場所に現れる可能性があります」
……むぅ。
「単刀直入に言うわ。転生者は、魔物の出現予測と切っても切れない関係にあって、居場所を常に転生者組合に報告する義務を負います」
あー、なるほど。
「そのー、どの程度の、行動の自由があるんでしょうか?」
「基本は自由よ」
あ、そうなんですか。
「ただ、魔物の出現が予測されると、色々な組合にまずは通達がいくんだけど」
うーむ。はい。
「その組合を通して、一般の方々に魔物の出現が伝わるようになっていて、魔物警報と言うんだけど、この警報が出ると、遠方への外出は控えてもらうことになります。一般の方も、転生者の方も、両方ね」
あー、それで、馬車道なのに馬車があまり通っていなかったんですね。
「そういうこと。もう、警報が出てるのよ」
……おぅ。




