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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
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2-1 いただきます

「いただきます」


 あー、昨日の夜は、なんか変なテンションになってた。

 それが、私の、戦いだ、とか、ひとり言としては最悪の部類に入る。

 朝、七時の鐘で目を覚ましたのと同時に昨日のこのひとり言を思い出し、部屋中を全力でごろごろした。

 見えない何かに対してかっこうをつけていた自分が、ものすごく恥ずかしい。


「はー」

「よう、ブロッサム」


 む?


「あ、コールズさん。おはようございます」

「おはよう。前座るぞ」

「どぞどぞ」


 コールズさんがテーブルに置いたお盆の上には、ご飯、お味噌汁、海苔、生卵、鮭っぽい魚の切り身を焼いたものが並んでいる。


「なんか、有り得ないぐらいの、日本の朝食ですよね」


 私の前にも、同じものが。


「そうだな」

「生卵が食べられるとは思っていませんでした」


 卵かけご飯。


「うまいよな」

「ですよね」

「さて、食うか。ああ、そうだ。飯と味噌汁は、お替わり自由だからな」

「おばさんに教えて頂きました」

「そうか」

「はい」


 まずはお味噌汁……あー、身体に染みる。海苔には、醤油だな。えーと。


「使うんだろ?」

「あ、すいません」


 コールズさんがお醤油の入った瓶を手渡してくれた。どもども。小皿にちょいと入れておいて、海苔につけて、その海苔でご飯をくるっとして……んむ。おいしい。


「昨日はよく眠れたか?」


 コールズさんが、しゃかしゃか生卵を混ぜながら尋ねてきた。


「えーと、そうですね……」


 私もそれに合わせて、しゃかしゃか混ぜる。


「まぁ、あのー、そうですね、考え込んじまいましたです」


 そうか、俺もそうだったよ、と言って、コールズさんが笑った。


「皆さん、そういうものなんですかね?」

「俺の知ってる範囲の転生者(リレイター)は、みんなそうだな」


 はへー。


「この世界に、選ばれているような気がしてな」


 あー。分かります。


「呪われた剣だのを自由に使えるんだ。周りから、どう思われるんだろう、とかさ。あのガキはこの世界に破滅をもたらすに違いないって思われるんじゃないか、とかな」


 〈魔印解放〉、でしたっけ。そうか。そうですよね。


「そんなふうに考えてしまいそうですね」

「悪い奴が使いそうな力だろ?」


 あー、むーん。


「でも、主人公っぽいじゃないですか」

「そうかもな」


 あ、お醤油どうぞ。


「ま、俺の時はこんな感じだった。自分の持っている力が特別なもので、自分自身がそのうちこの世界の敵になるんじゃないかって思った」


 世界の敵。


「それは、でも、そう思ってしまうのは、しょうがないと思います」

「ま、ガキだったんだよ。周りには自分以外にも人がいるってことの意味が、分かってなかった」


 ……むーん。


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