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銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード1 転生~ステータス画面~戦い
40/1018

1-40 うーむ

 うーむ。


魔物(キメラ)というのがいて、これはこの世界に住む人々共通の脅威である

転生者(リレイター)が持つ固有技能(ギフト・スキル)は、魔物(キメラ)と戦うための切り札になる


 ここまでは分かる。


転生者(リレイター)の尽力の独占が起きないよう、相互監視のため、この街に騎士さんたちを各国が派遣している


 ここがいまいち、良く分からない。共通の脅威である魔物(キメラ)と、直接的であれ、間接的であれ戦うための転生者(リレイター)の尽力という手段を、独占しようとするとか、意味が分からない。


「あのー、転生者(リレイター)の尽力の独占、というのが、どうにも良く分からないんですけれども。そういうことが、過去に起きたんですか?」


 歩き始めたトーチライトさんが、少し間を置いてから、ないわよ、と言った。

 ぬーん。


「でも、これからもないとは言い切れないじゃない?」

「その、利益独占的なことの予防のための、相互監視ということですか?」

「そんなところ……かしらね」


 なんか、まだ、こう、情報が足りていない気がする。

 そういうことが起きることを予感させる、何かがあるというのか。


「ブロッサムさんは、どんなことを知りたい?」


 む?


「知りたいこと、ですか?」


 そっすねー……。


「予防が必要な理由、でしょうか。何か理由があるから、そうしてるんですよね?」


 下り坂が終わり、私たちは馬車道に出た。湖の上を吹き渡って届いてくる風は、少し冷たい。


「冷えてきたわね。急ぎましょうか」


 そう言って私の方を見たトーチライトさんの顔は、とても穏やかだった。


「話の続きは、腰を落ち着けられるところでしましょう。今は、あなたに、この世界をただ、真っ直ぐ見て欲しいのよ」


 真っ直ぐ。


「ええ」


 それは、余計な先入観のないうちに、ということですか。

 という言葉を飲み込んで、トーチライトさんが言うように、世界を真っ直ぐ、無心に眺めてみた。

 窓から見た時と同じように、世界はきれいだったけど、それでも、どこか、寂しそうにも思えたのは、馬車道沿いの桜の花が風で散る様子を、私が儚げに感じたから、かも知れない。


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