1-4 私のパンツ
私のパンツ発言に呆れた様子のコールズさんに見送られ、入った部屋の中は服だらけだった。
「こちらは、転生者の方向けに女性用の衣類を置いている部屋です」
ドアをそっと閉める音に振り返ると、スプリングフィールドさんの顔がものすごく近いところにあった。
「距離感、おかしいって言われたことありませんか」
「時おり」
至近距離で見つめ合いながら、互いに引かない私たち。
「前髪、長いですね」
「あとでハサミをお借りできますか。自分で切りますので」
「お持ちしましょう」
前髪の隙間から見えるスプリングフィールドさんの瞳は青い。外国の人だ、と思ってから、コールズさんが黒髪に黒目だったことに今更ながらに気づいた。
「そういえば先ほど、コールズさんがスプリングフィールドさんのことを、職員、と紹介されていたかと思うのですが、えーと、どちらの?」
「私は転生者組合第三支部の職員をしております」
ギルド。転生者の組織があるわけですか。
「スプリングフィールドさんも、転生者なんですね」
「違います。私は先住者です」
また、新しい言葉が。
「先住者というのは、転生者の方々から見た場合の、異世界の、元々の住人、とでも申しましょうか」
聞く前に答えが返ってきた。
なるほど。
「質問の機会はあとにもございますから、今はお着替えを」
「そうですね」
パンツを。
「パンツ以外も」
確かに。




