表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀のペンダント  作者: 上村文処
エピソード2 授業~師匠~笑う
109/1021

2-41 魔

 魔導王さんのことを尋ねながら、私が考えていたのは別のことだった。

 レインツリーさんは、エルフだから、寿命が長い。こちらの世界に来て二百年、と言っていたけど、その間にたくさんの出会いと別れを経験してきたのだと思う。

 私から見れば、教科書に名前が出てくるような歴史上の人でも、レインツリーさんにとっては今も、尊敬の念を抱いている、直接教えを受けた先生、なのだろう。

 きっとこの人は、いつの日か、トーチライトさんやコールズさんとの別れの日が来るのを覚悟している。それでも、そんなことを感じさせずに、エルフという特別な立場を受け入れ、生きている。

 捉えどころがない人だけど、仕草の一つひとつはとても丁寧で、内側はすごく、繊細な人なのかも知れない。ものすごく年上のお姉さんに、こういう感想を持つのは失礼か。出会ってまだ一日目の人に対して、分かったようなことを思うのも、ちょっと違うのかも知れないな。

 トーチライトさんが、レインツリーさんに、見守るような雰囲気の微笑みを向けていたのが印象的だった。


「今も、魔導王さんはレインツリーさんの先生なんですね」

「うん。そうだね。あの人には一生、かなわない。あ、ちなみにエレノアの先生は私ね」

「基礎魔術だけだけど」

「基礎が分からないと治療魔術だって分からないでしょーが」

「それは、そうね。感謝してますよ、ちゃんと」

「なら、(うやま)って」

「そういうところが、駄目だと思う」

「叡智の魔女だよ、私」

「その呼ばれ方、一番、嫌いなやつだったわよね?」

「……うん」

「なんか、魔導王の横に並んでも遜色のない感じですね。叡智の魔女」

「えー、魔女とかやだよ……って、ヨリちゃん、笑うなよー」


 笑ってました? 私。


「うん。なんか、穏やかに笑ってた」


 えー。


「気づいてなかったです」

「あ、また笑った」


 ほーへっへっ。


「照れるとその笑い方をするんだね?」

「どぅえへへ」

「ほら、二人とも、そろそろ帰りましょう?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ