2-34 ヨ
「ヨリちゃん、宝鍵の話、聞いた?」
「あのー、お腹の中に装備する魔道具ですよね。端末宝珠を使えるようにするための」
「そーそー」
……レインツリーさんは、なんとなく、こういうことを話す人では絶対にない。
意図するところは、何だろう。
「興味ない? 宝鍵」
なるほど。
「と、申しますと?」
「ヨリちゃんが宝鍵を使ったら、どうなるんだろうね?」
ふむ。
「正直言って、良く分からないです」
私が自分のステータス情報を見るのと同じレベルで、他の人のステータス情報を見ることができる可能性の話、なんだと思うけど。
「そうなの?」
「宝鍵が端末宝珠に対して、どういう働きをしているのか、良く分からないので」
それに、と私は続けた。
「もし、人のステータス情報を見ることができるのだとしたら、私はそんなこと、絶対にしたくはないです。自分がされて嫌なことを、人にしたくはないですから」
少し、きつい言い方になってしまったか。
私がそう言ったら、レインツリーさんが、そっか、と言って嬉しそうに笑った。
「じゃ、この話はこれでおしまいにしよう」
あ、梅干し食べた。
おぅ、酸っぱそうな顔してる。




