9-121 教頭先生のこと
「教頭先生のこと、言うの忘れてて。ごめんね。びっくりしたよね」
「あ、いえ、そのー、びっくりはしましたけど、異世界だし、ああいう感じの人がいてもおかしくは、な、い、の、か、な、と……」
冷静になれ。
ものすごくおかしくないか。
いくらなんでも、骨の人が学校で先生してるって。
「ほかにも、骨の人族みたいな方は、いらっしゃったり?」
「いないよ。教頭先生というか、あの学校の先生たちは、少し、特別な人たちばかりだから」
夕ご飯で楽しく、お話をしたけれども、教頭先生も普通にお食事をされていて、あ、ご飯食べるんだ、とは思ったけれども。
「そのー。特別な人たち、という言葉の意味を、お尋ねしたりするのは、良くないことだったりですかね?」
「あの学校に通ったことのある人は、みんな知ってるから、別に、タブーとかではないよ」
そうなのか。
「知りたい?」
うーーん。
テイラーさんは、にこにこしてる。
うーーん。
「お伺いしてもいいですか?」
「うん」
なんだか嬉しそう。先生方のことが、好きなんだろうな。
好きな人たちのことを知ってもらうのは、多分、嬉しいこと、だと思う。
私も、師匠の一般的な、圧のイメージを、若干、むーん、と思わないでもないし。
皆さん、怖がり過ぎ、というか。いや、実際、怖いけれども。
「ソラウミ学院の先生たちは、全員ではないんだけど、迷宮から校長先生が助け出した人たちが多いの」
迷宮から。
「森林迷宮と、岩窟迷宮、というやつですか? 鉄葉戦争の時に作られた、というお話の」
「うん。そう」
鉄葉戦争って、四千年続いたとか、そういうお話だったよな。
「助け出された方々、なんですか」
「うん。魔印武具は知ってるよね?」
「コールズさんが自由自在に扱える、という、あれですよね」
呪われた武具。
「そうそう。その、魔印武具に魂を拘束されている人たちが、先生たち」
「あ。へー」
待て。拘束、されている?
「今も、その、魔印武具の支配下にある、ということですか?」




