9-118 さて、どこに
「さて、どこに行きましょうかね」
石組みのお城が真ん中にどでん、とあって、その周りを木造の色々な建物が取り囲んでる。その、木造の建物の一つが、今は私の後ろにある教員用の建物なわけで、真正面にはお城。の、裏?
三階建てぐらいで、そんなに大きくはない。でも、見た目はお城っぽい。
「お城は宿舎、なんでしたっけ?」
そんな説明を受けたような記憶。
「そうです」
ほへー。
空はまだ明るいけど、時間的には夕方のはず。
「これぐらいの時間だと、もう授業は終わって、皆さん、宿舎ですか?」
「今は、授業後の自由時間なので、多分、みんな、自習室じゃないかな。向こう側に見えるのが、自習室のある棟です」
二階建ての、けっこう立派な建物が、真正面をお城の裏側とした時、左の奥の方。馬車で横を通ったような気がする。あれ、自習室がある建物だったんだ。
あと、もう一つ、気になっていること。
「花壇は、生徒さんたちが?」
「ええ。教師陣も手伝いますが、基本は生徒たちの自主性に任せています」
へー。
「きれいですね」
夏の花。白だったり、黄色だったり、赤だったり、青だったり。入り乱れて咲いているのが、なんか、かわいい。
「ぐるっと、疲れない範囲で、この辺りを回ってみましょう。先ほどの、話を続けながらね」
「はい」
「気楽にいきましょう。気負っても、いいことは何もないです」
気楽に。か。気負わず。
うん。
「そうですね」
先ほどのお話を、まずは頭の中でまとめると。




