9-117 少し、外を歩きましょうか
少し、外を歩きましょうか、というお話になった。
高速で、ほんのり甘めの紅茶風のものをぐびごく。
「慌てなくてもいいですよ」
と言われたけど。これでも、師匠の弟子。人を待たせたりは意地でもしない。
「お待たせしました」
笑われてる。
「ソラウミ学院の、敷地を見て回りましょうか。歩きながら、先ほどの話を続けましょう」
「はい」
情報の密度が高いお話が続いたから、頭の中がぐるんぐるんではあるけど。私の前を歩いている、レイヴンさんの後ろを追いつつ、まとめねば。
というか、レイヴンさん、本当に背が高いな。
「お出かけですか?」
あ、教頭先生と、テイラーさん。廊下にあるベンチみたいなところに並んで座って、お話中だったのか。
「ええ。散歩してきます。ブロッサムさんに、この学校を見て頂きたくてね」
「それはいいですね」
もう、フードとかかぶってないから、頭蓋骨剥き出しの骨の人だけど。不思議と、優しそうな人、という印象が強い。テイラーさんは、にこにこしてる。テイラーさんにとっての恩人が、教頭先生なのかもだな。
みんな。
色々な人に助けられて、今がある、のかもしれない。
恩人か。
「いってらっしゃーい」
「いってらっしゃい」
「いってまいりますです」
へころう。
「こちらから外に出ましょう」
教員用の建物の、表玄関、かな。裏口よりは広めで、両開きのドアは開け放たれている。吹き抜けてくる夏の風が、ほんのり涼しい。
ドアが開いてるのは、生徒さんが入ってきやすいように、かな。
「ええ。そうです」
……また、口に出してた。
でも。
「いいですね。そういうの。先生方と、生徒さんの距離がとても近いんですね」
「そうあろう、とは思っていますが、なかなかね。開かれた場所、というのが、苦手な子もいますから」
なるほど。




