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銀のペンダント  作者: 上村文処
エビソード9
1012/1018

9-116 素晴らしい  //

「素晴らしい。その通りです」


 口から出てた。


「作り出そうとしている効果を決めるためのものである、力の器に」


 丁寧に言葉を切ってお話してくださるこの人は、やっぱり、先生なんだな、と思う。


「魔力を通すことで響く音を、手探りで音声化し、作り出したものが、呪文です。鉄葉戦争の頃に、主に人族の手で発展してきたようですが、エルフやドワーフたちの本気の魔法の前では、当時はたいした成果を挙げることはなかったそうです」


 なんとなくしか分からないけど。


「はい」


 頷こう。


「ただ、転生者(リレイター)が現れてから、その状況は変わりました。僕自身も含めて、ということになりますが、その音の響きの音声化に、転生者(リレイター)は秀でていました」


 音の響きの記憶、みたいなものがある、ということか。でも、ウミさんたちの名前を聞いても、私は何も思わなかった。


「魔導の大幅な拡張を行ったのは、魔導王です。あいつが全ての固有技能(ギフト・スキル)を言っていない可能性、というのも無論、あるわけで、日本語にアクセスする手段を持っていたのかもしれない。これは、本当に分かりません。有用なものを隠すような奴ではないので、もしそうであるならば、言わない方が良い、と判断したのでしょう。その上で、僕を日本語の共同研究者に誘った、ということになります」


 情報の洪水が。


・魔導に使われる呪文は、日本語の可能性が高い

転生者(リレイター)は、いまいち分かっていないけど、呪文の輪郭をはっきりさせる能力が高い

・魔導の大幅な拡張を成し遂げたのは、魔導王さん……だから、魔導王なのか?

・もしかして


 これはね、とレイヴンさんが続けた。


「ブロッサムさんを介した、僕に対するメッセージでもあるような気がします。竜神の名前は、日本語ですね?」


 この人はもう、色々なことが見え始めているんだな。

 さすがだ。さすが、グースベリーさんの先生。


「そうです」


 そして多分。

 魔導王の、親友。


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