9-105 しばらく、間を
しばらく、間を置いてから、レイヴンさんが口を開いた。
「ブロッサムさんの魔力についてなのですが」
「はい」
「無階色調、ということでよろしいですか?」
「はい。あのー、その、無階色調、というものが何なのか、正直、私はよく分かっていないんですけども、そのー、そのように言われますです」
はい。あ、あと。
「透明な魔力、という言われ方をしたことがあったような気がします」
「そうですか。ああ、飲み物は、ご遠慮なさらずに、いつでもどうぞ」
「はい」
では、失礼して。
冷たくて、ほんのり甘い、紅茶みたいなもの。かな。
おいしい。
「今、伺った話からすると、ウミさんの魔力に包まれた時の、ぬりゅーん、ですか? その感覚は、最初の時だけ、ですか?」
レイヴンさんに、ぬりゅーん、と言わせてしまった。
恐縮するより他にない。
「そうですね」
二度ほど頷かれた。
「一度目のウミさんとの接触により、ウミさんの魔力にブロッサムさんの魔力が馴染んだ、という言い方をしましょうか。そのような状態になっていると考えられます。これは、無階色調特有の現象なのですが」
馴染む。
「そうです。ソラさんへの結線が成功したのは、この経緯があったから、かもしれませんね。もう少し、掘り下げて言うならば、ウミさんへの結線により、ブロッサムさんの魔力にわずかな変質が起きたかもしれません」
「変質、ですか」
……だから、銀のペンダントに結線した時に、〈魔道具〉の習得値が爆上がりした……のか?
「どうしました?」
「あ、いえ。ちょっと、そのー、自分ではそういう変化が起きたのかどうかが、分からなくて」




