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Dragoon→Dragon Knights  作者: 巫 夏希
第二章
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第二十三話 双竜

「……む?」


 そして、その咆哮はブランに届いていた。


「どうした、ブラン?」

「おぬしは聞こえなかったのか、咆哮が」

「……ああ、確かに聞こえたが。それがどうかしたか?」

「儂を呼んでいる。そんな気がするのだよ。……向かっても構わないか?」

「別に問題ない」


 そうして進路を変更するブラン。

 きっと昔の彼ならば、人間を下に見て勝手に進路を変更していたことだろう。

 しかし、今は彼を自分と同位に見ている。だからこそ一度質問し、同意を得た。

 ブランの進路の先には、一匹の竜が居た。


「まさか、シンギュラリティの中に彼奴が潜んでいたとはな……。儂も想像できていたことだったろうに」

「どういうことだ、ブラン。お前だけで自己完結させていないでさっさと答えろ」

「……簡単に言えば彼奴の名前はノワールだ」


 黒いドラゴンが、翼をはためかせてその場に留まっていた。


「ノワール……」

「儂が再生を司る竜であるならば、彼奴は破壊を司る竜。そして、お互いはお互いに惹かれ合い、疲弊するまで戦い合う運命にある。……降りろ、ラインハルト。ここから先はドラゴン同士の戦いだ。お前はお前の戦いをするが良い」

「待て、どういうことだ!」

「さらばだ!」

「ブラン!」


 そして、ブランから無理矢理落とされた彼は雑木林の中へと落ちていった。


「さあ、始めようぞ」


 そうしてブランとノワールはお互いを見合った。



 ◇◇◇



「対象の回収を完了致しました。如何なさいますか?」

「現在は何処に?」

「地下牢に閉じ込めております。傷が治っておらず、眠りについておりますが」

「ほとぼりが冷めたら記憶処理をしておけ。……いいな?」

「……承知しました」


 陛下と秘書の会話は、冷たく終わりを告げた。



 ◇◇◇



『白と黒の竜が邂逅したか。ここまでは予定通り』

『然様。後はどのように進むかは、彼奴の予定がうまく行けば良い話』

『今更悩むこともあるまいて。彼奴らの動きを見るに当たっては、そうこの計画を阻害することも無かろう』

『確かに、それもその通りだ』

『すべては再生の卵を孵化させるため』

『すべては再生の巫女を蘇らせるため』

『すべては破壊の竜を封じ込めるため』

『そう、すべてはアルシュの名の下に』



 ◇◇◇



 破壊と再生の竜の戦いは七日間続いた。

 決着は大きな爆発による――互いの消失。

 テスラーとマギニアは甚大な被害を負い、終戦を迎えることとなった。今回こそは世間の評判を鑑み、ミスティルカ商業兵団とアブソリュート報道局の両陣営からの妨害は無かった。

 そうして、三ヶ月の時が流れた――。



第三章に続く。

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