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私は、過去へ戻ってしまった。

作者: Ray0102

はじめて、投稿するものです。思いつきで書いたのでかなり文章がめちゃくちゃでストーリーになっていないかと思います。少しでも読んでくれればとおもいます。

「ようやく終わった・・・」

私は、ソファーに座ってタバコを咥えて火をつける。煙りを吐て、灰皿に吸いかけのタバコ乱暴に擦り付けて、捨てる。

私は、立ち上がり、部屋を出た。

長い廊下を歩いてると、

「神田主任」

声を掛けて来たのは、私の研究助手の女性、如月さん。助手と言っても、私より年上だしキャリアも先輩だし。

「如月さん、主任はやめて」

「いえ、ノーベル賞確実と言われてる天才科学者ですので」

「それが嫌なのよ、ノーベル賞は噂でしかないし、その要因のエネルギー研究だって大した評価じゃないし」

たかが、そんな噂ていどそんな事言うもんだから困った人だ。悪い人ではないんだけど。

「で、何の用?」

「この間の資料できましたので」

差し出してきたUSBを見て、私は受け取らずに。

「それは如月さんが持ってて」

「えっ、でも・・・」

「いいから」

もう私には、必要もないし、関係もない。

無理やり会話を断ち切って立ち去る。

エレベーターに乗って、最上階のスイッチを押して、ドア閉めのスイッチを押す。


・・・


エレベーターを降りると、屋上に続く階段を登る。普段なら絶対に近づかない場所だ。

重いドアを開けると、強い風が入り込んでくる。屋上へ出ると、ビルが立ち並ぶ夜景を見下ろせた。私は屋上の高いフェンスを乗り越えて、下を見下ろす。普通なら足がすくむような高さでも、今は、吸い込まれる。

私は、吸い込まれるように落ちる、落ちる、そして私の中でバチンッ!と言うような音ともに意識が途切れた。


・・・


ピピピッと聞いたことがあるような、音が聞こえる。

「しーちゃん、朝だよ。起きなさい」

しーちゃん・・・、子供の頃そんな呼ばれ方してたなぁ。

「もう、しーちゃん。遅れるよ」

これって走馬灯ってやつかな。

「しーちゃん!」

思いっきり毛布剥ぎ取られ、光が差し込んで来た。ゆっくりと目を開ける。

「姉さん・・・これは夢?」

「もうしーちゃん、まだ寝ぼけてるの。今日入学式でしょ。」

姉さんだ。こんなに優しく語りかけてくれるのは。・・・

「入学式?姉さんの?」

「何言ってんの!しーちゃん今日から大学生でしょ。」

大学生と言う、単語聞いた瞬間、ベッドから飛び起きた。

鏡の前に立つと、正気を失いそうになった。

「子供に戻ってる?」

姉さんを見ても、見た目が若くなってるし高校の制服を着てる。

「姉さん」

「何?変な呼び方して」

言われて思い出した。子供の時は、お姉ちゃんて呼んでた。


・・・


私、神田詩織25歳は2016年に死んだ・・・はず。はずなのに、私、神田詩織は11歳飛び級の大学生として、今、生きてる。入学式の朝起きてから、頭の整理がつかない。今こうして、講義を受けていても。

講義が終われば、キャンパス内を歩きながら、考えていた。これは夢ではない。確実に14年前に意識だけがタイムスリップしてる。でも何故かはわからない。考えれば考えるほどわからない。強いてわかることは、私は死にぞこなった。

14年前では、携帯もあまり普及してないし、ネットも時間と場所が限られてる。不便な上にどうしていいかわからない。そして、周りの目が痛い。子供の時の記憶蘇る。

「はぁ・・・」

まぁ、大人だらけの中に身長150もない子供だものね。入学式にはテレビだ新聞だで騒ぎがあったし。突き刺さる視線で胃が痛い。帰ろう。


・・・


「ただいま」

「お帰りなさい」

母がキッチンから玄関まで出てくる。まだ帰ってきてないが父もそして、この母も14年前そのもの。

「学校はどう?もう慣れた?」

「うん。楽しいよ。」

上手く笑えているかわからないけど、当時を再現するため演じる。ただでさえ、神童だのなんだのて騒がれる子供なのにこれ以上不安を与えたら、大人の私と同じように。

私は、家の2階にある、部屋に向かう。部屋も当然、昔と同じ。ただ、天才とか神童と聞くと部屋で勉強ばかりしていると思う人が多くいるかもしれない。しかし、私は、机ではなくテレビに向かい、鉛筆ではなくゲームのコントローラーを握る。いたって普通の子供。

「しーちゃん、ただいま」

ノックをしないで入ってる姉さん。まぁ本来なら小学校に通っている妹の部屋なら。

「おかえり、お姉ちゃん」

「あぁ、またゲームして」

ゲームをやってるといつもこれだった。

「たまには、外で体動かして遊ばないとダメよ」

自殺して、過去に戻っても、小言まで変わらないとは。

「今は、ダメ。もう少しでラスボスに勝てそうなの」

と、子供らしいこと言ってみるけど、本当は面倒くさいし、実際の記憶でも言うことなんて聞いてなかった。

「しーちゃん」

私に抱きつく姉さん。年の離れた妹へのスキンシップなんだろうけど、中身が25歳の私は、複雑を通り越して、鬱陶しい。まして、飛び級した妹に追い抜かれた高校生の姉だし。


・・・


私が生き返ったんだか、生まれ変わったんだかわからないような、現象に遭遇してから、3週間ほど過ぎようとしていた。

キャンパス内の図書館で、脳科学の本を読んでいた。当然だけど、この現象についてはわかるわけもなく、ほんの気休め。ある程度、日が経つと頭が冷静なってきた。そして、子供の頃に戻ったとはいえ、記憶を辿るわけではなく、記憶にない出来事も起きると言うこと。ついさっきも教授に研究とか論文の話をされた。さすがに入学して3週間でこの話してくることはないし、覚えもない。

多少の誤差はあるのかもしれないと、本をもどして帰ろうとした時、人とすれ違う。その人が気になり、振り向くと、見覚えある後ろ姿。

「如月さん・・・?」

そうだ、如月さんも同じ大学通ってたって言ってた。話半分程度で聞いてたけど。学内じゃ、会ったことなかったし。

今更、改めて見ると、スラッと背が高くて長い髪がキレイ。少し羨ましいかも。


・・・


如月さんのことは、そのままにして、帰宅した。

「ただいま」

「おかえり、しーちゃん」

リビングから出てきた、姉さんとこれまた見覚えある若い男。

「この子が光の妹さん?」

こいつの事は覚えている。姉さんを散々な形で捨てた男。

「じゃあ、俺帰るわ」

「うん、また」

男が帰るところを見送る。もちろん、姉さんはあれが最低の野郎だと気づいてはいない。

「お姉ちゃん」

「何?」

「あたし、あの人嫌い。」

「えっ、どうしたの?」

あの時のこと思えば、こんなこと言い出していた。気まずくなり、足早に自室に入る。まぁ、あの男のしたことを話せば、姉さんに金をたかっては、浮気しまくり。よくある話だ。姉さんが捨てられるのはあと1年後くらいだけど。


・・・


1週間後、帰宅すると彼はいた。ヤツを見ていると、どうしてもあの時の姉さんの顔が浮かんでくる。浮かんでくるから。

「ねぇ、お兄さん」

「ん、なんだ?」

「お姉ちゃんからお金もらってるでしょ」

「ちょっと、しーちゃん何言ってるの!」

「あと、何人もの女性と付き合ってるでしょ」

「何を証拠に!」

「試しに現時点でいくらもらったかと女性たちプロフィール、言ってみる?」

あまりの事に、言葉出ないみたい。

「でも、携帯とか盗み見たわけじゃない、この先に起こる事を知ってるの見てきたから」

「はぁ?何気色悪い事言ってんだ、帰る!」

怒ったあの男は、家を出ていく。姉さんも後を追う。

きっと、これでよかった。気づくのは早い方が、1年後なんて。


・・・


「しーちゃん、ごめん入るよ」

ドアを開けて姉さんが入ってきた。

私は、ベッドの上に体育座りでうずくまっていた。そんな私に姉さんは、そばに寄ってきて、怒ってないよなんて言う始末。

「しーちゃんが正しかった」

私は、話してみる事にした。これから起こる事。

「お姉ちゃん、信じてくれなくてもいいから、話を聞いて。」

「うん、いいよ。」


・・・


私は、記憶どうりに事が進めば、1年後には現在の大学を中退してアメリカのMITに留学。お姉ちゃんはこの頃に借金背負わされて男に捨てられる。でも、借金は回避した。記憶の中でも私が、技術特許権を売りさばいて返した。数年後MIT留学を終えると、帰国してエネルギー開発の研究者として、1流企業に就職。さらに数年後、次世代のクリーンエネルギー発電を開発した。ここまでは自慢話しに聞こえる、が、クリーンエネルギー発電の開発実験はかなり横暴だった。とある国の小さな村を無理矢理買収して、実験施設を建設した。これに関しては会社側は、多方面から叩かれて、責任を研究主任の私に押しつけた。こんなやつらに技術をタダだやるつもりはないから、世間からの批難を浴びながら、完成させ、信頼できる人に託した。

「これが、私が見てきた未来。」

「しーちゃんの未来」

「でも、まだ続きがある。」

その時の私と姉さんの仲は最悪だった。世間からの批難を酒とタバコで紛らわせていた私は、精神的にかなり荒れていた。そんな私に姉さんは、よく、酒とタバコやめるように言っていた。それで、しょっちゅう喧嘩してた。ひどい事もたくさん言った。そして、自殺の理由は横暴な実験の罪悪感やストレスもあるけど、姉さんへの罪悪感が大きかった。

「ひどい妹だよね、死ぬのを姉のせいにして」

「そんなことないよ」

「え?」

「だって、それはこれから起こることでしょ。だいたいしーちゃん生きてるし。」

「また、自殺するかもしれないのよ!」

「でも、わたしの未来を変えてくれたでしょ。起こることがわかってるなら、変えられるわよ」

「姉さん・・・」

「それでもまた死ぬかもしれなかもなら」

また、私に抱きついてきた。力強く。

「ずっとこうしてるから」

もしかしたら姉さん、あの時も怒っていたんじゃないのかな?

「人生のやり直し、手伝って」

「うん、でも年上の妹てなんか、ドキドキするね」

「バカ」

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