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08 リザルト①






 レベルが大幅にあがっていた。


「なっ……」


 44地区にある自分の部屋に戻る頃には、辺りはもうすっかり暗くなっていた。


 簡易的な炎魔法で部屋のあかりを灯し、荷を解いていく。全てが終わった後、俺は上半身の服を脱ぎ、『ステータス確認札』を背中に貼った。使い捨てアイテムのそれは、魔力によって、対象者の能力の情報を、その白紙の紙へと写していく。


 アルカさんの前で脱ぐという事には少し抵抗があったものの、彼女は精霊だと割り切る。


 飲食店を出てから、彼女は特に何も言わず、とことこと俺の後ろについてきた。


 契約精霊が契約者の傍にいるのは当たり前の事だし、俺の持ち物である剣が俺の家にあるのも当然の事だ。しかし精霊であり、同時に剣であると言えども、アルカさんは実体を持つ少女の姿をしている。そんな彼女が俺の家の中にいるのは妙な気分だった。


 彼女は俺の部屋の狭さに少し思う所があるみたいだったが、特に何も言わずに部屋の片隅に座り、ぼんやりと俺の事を見ていた。


 しばらく待った後、背中から外して『ステータス確認札』を外し、浮かび上がった文字を確認する。


 そこに書かれた情報が何かの間違いだと思い、もう1枚新しい物を使った。やはり同じ結果が出たので、3枚目の『ステータス確認札』を使用しようとしたところで、アルカさんに止められた。


「無駄遣いはしない方が良い。それが現実だよ、ご主人」


「……マジですか」


 俺は2枚目の紙に書かれた文字を睨む。


 そこに書かれた言う数字を見て、言葉を失う。


 どう見ても何かの間違いだと思えてしまう。


 『レベル:48』


「今朝までは、レベル18だったハズなんですけど……」


「ご主人は一角獣(ユニコーン)を1人で倒したのだぞ。それくらいレベルが上がって当然の事だろう」


 何て事は無い、と言った風にアルカさんは言った。


 一角獣(ユニコーン)を倒した以上、レベルがあがっているだろうと言う事は予想していた。しかしまさか、一気に30も上がるとは思っていなかった。レベル48と言えば、上級Bランク冒険者や、ともすればAランク冒険者に匹敵するようなレベルだ。


「……」


 しかし落ち着いて考えれば納得の行く事でもある。Bランク冒険者達が大パーティーを組んでも倒せるか怪しいほどの魔物を、1人で倒してしまったのだ。本来分配されるハズの経験値を1人で手に入れた。『格下補正(ボーナス)』も加わって、得られた経験値は相当の物だろう。


 10年かかって18しか上がらなかったレベルが、たった1日にして30もあがった。もっとも、ここ3年は強い魔物と戦ってきた訳ではないので、実質7年くらい。


 それにしてもそのレベルの上昇量は異様過ぎて、少し呆然としてしまった。一角獣(ユニコーン)が凄いのか、それともそれを倒してしまえる程の能力を持った、アルカさんの力が凄いのか。


 レベルが30も上がった事によって、スキルポイントも60も貯まった事になる。


 『ステータス確認札』に、未使用のスキルポイントが60と、はっきりと記されている。


 1レベルあがる毎に、2ポイントづつ入手出来るスキルポイントは、普通の鍛錬では決して手に入れられないような不思議な技能を覚える為に存在している。俺が持っている『簡易治癒魔法』や『アイテム鑑定』のような能力も、スキルポイントによって習得した物だ。


 これだけポイントが貯まっているのであれば、取得に大量のスキルポイントを必要する事で有名な『遣い魔召喚(サモニング)』ですら覚える事は可能だろう。


 ……しかし、特に早急に覚えなければならないスキルも思いつかない。何に使うかについて少しの間思いを巡らせたものの、一旦その事は置いておく事にした。いずれ本当に何かが必要になった時に、覚えれば良いだろう。


 他にも、レベルがそこまであがっている事で、基本的なステータスも上がっている。


 HP(体力)MP(魔力)、防御力が大幅に増えている事は特に助かった。これで何かあっても、死にづらくはなる。


 その紙をじっと睨んでいるところ、アルカさんが唇を尖らせながら俺を見ている事に気付いた。暇だったのだろう。


「随分と熱心にステータスを気にしているな。ニンゲンは数値化するのが本当に好きだな」


「……アルカさんも確認してみますか?」


 そう俺は部屋の隅にいる彼女に聞いた。


「む。面白そうだな。では余も、見てもらおうか」


 そう言うと、腰をあげ、とてとてと俺の傍まで歩いてくる。


 アルカさんは俺に背中を差し出すように座り込むと、上半身の服を文字通り消した。半分冗談で言ったので、その反応には少しばかり驚いてしまった。一度は全裸姿を見たとは言え、女性の素肌が晒されているのを見るのは少しどぎまぎしてしまった。


「どうした。ほら、さっさと貼るが良い」


 彼女の肌は透けるように白く、とても綺麗だった。


 俺は腰まであるさらさらの金髪を手で避けて、肌に貼った。柔らかな感触と、甘い良い匂いがしてきて妙な気分になりそうなのを俺は抑えた。


(相手は精霊で……それも、見た目は子供だぞ……。俺は一体何に興奮しそうになっているんだ……)


 『ステータス確認札』が精霊にも通用するのかは疑問だったが、やがて文字は浮かび上がってくる。





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