すとれす解消
リコ視点。
日曜日。あたしは朝から体を動かしてた。ひ、た、す、ら、走った。
そのあと、昼食をとっていつものスポーツジムへ。そこでまた体を動かす。
ふー。ようやく頭からっぽにできたかなー。
「……真理子ちゃん、何かあったの?」
おっと、コーチに心配させちゃったか。
「変装で、ストレスがかかってるんじゃないの? それならもうやめた方が……」
「あ、そっちは大丈夫です。今回は別件で、思いっきり忘れたいことができちゃって。考えをまとめるにも、まずは頭をからっぽにしたかったんです」
「……それでも、やっぱり猫背とかよくないし」
「あはは……」
まあ、分かってはいるんだけど……、やっぱトラウマだなー。
「……なんなら相談にのるから、一人で考え込まないようにね」
「はい」
うん、心配してくれる人がいるって、いいもんだ。
「なにしろ、あなたに何かあったら、先輩が……」
「大丈夫ですから! それ以上考えないで!」
「そ、そうね……」
おう、ほんとにうちのおかーさん、コーチになにしたんだか……。まあ、とにかく。
「それじゃ、今日は帰りますね。また来週」
「ええ、お疲れさま」
寮に帰って、ちゃんと考えよっか。
ここのコーチというか、リコのサポートしてるのはリコの母の後輩で、学生時代にいろいろあったらしい……。