授業はちゃんと聞きましょう
リコ視点。
授業中。あたしは変わらずにへばりついていた。というわけで、せんせーに目をつけられた。当然だねー。
仮にでもテキスト出して取り繕っとく余裕も消えてたわ。
「渡辺! この問題に答えろ!」
あー、不機嫌になっちゃってた。英語の取手せんせーって、かなり厳しいせんせーだしねー。
幸い、テキストに載ってたのだから、そのまま答えいって終わったけど。まあ、せんせーは唸ってたけどそれはいいだろー。
「やっちゃったわね」
放課後にシオリがきて、開口一番にいった。
「やっちゃったって何を?」
よくわからん。
「さっきリコちゃんが当てられた問題、教科書の後ろの方に載ってる物だもの」
「げ、まじ?」
「ええ」
うおー、やっちゃったよ。頑張って目立たないようにしてたのにー、学力がバレルー。
……ちなみにあたしは帰国子女ってやつ。あっちでスキップで高校卒業資格取得済み。さらにテキストはオール暗記済み。……文章はほぼ暗記しないと気がすまない自分が辛い!
って、お?
廊下の方がざわめいてるってか、あれは生徒会長?
ま、まさか、あたしに用事とか……。よし、逃げよう!
「ごめんシオリ、あたし先に行ってるね!」
「え、リコちゃん?」
あたしは気配を消しつつ、後ろの開いてるドアから脱出。無事に逃げ出せた!
よっし。それじゃ甘味処でシオリを待つか。
実際、甘い白玉で思いっきり癒されたい……。
リコはかなりチートな能力を持ってます。
育った環境と、趣味のせいですが。
そのため、中学の時いろいろあって、目立ちたくなくなっています。
ちなみに、海外に居たのは10歳から中2の夏まで。