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へばってます……
彼女視点。
うー。なんとか教室にたどり着き、自分の席で机にへばりついてます……。
ほんっと、なんであんなタイミング……、ってかバナナの皮とか思いっきりテンプレじゃないの……。
そう。あたしは購買で切れちゃったシャーペンの芯を買って、教室に急いで戻ろうとしてたんだ。そしたら、階段の一番上にバナナの皮が落ちてて、気づかないで踏んじゃったんだよ。
すべってそのまま階段から落ちたんで、まず体捻って、一旦思いっきり飛び上がって、体勢整えて足から着地、ってとこで丁度生徒会長が登ってきて、抱き止められたんだよ……。
あーほんとに、こんなベタなことがあっていーのかー。
「リコちゃん、大丈夫?」
あたしがへばってたからか、親友の槙原詩織が覗き込んできていた。
「んー、あんましダイジョブじゃないかもー。
あとで話きいてー」
へばりついたまま、シオリにお願いする。
「うん、いいよ。それじゃ、放課後に甘味処でお話聴くね」
「んー」
ほわほわ美人のシオリと話して、ちょっと癒されつつ、変わらずにへばっていた。
彼女の名前は次回。