むかしのこと
リコ視点。
リュートに手を引かれて歩く。どうやらまずは目の前にあるジェットコースターからのよう。
「こういうのは平気かな?」
「むしろ好み」
というわけでまずは絶叫系を攻めることに。
移動中はずっと手を繋いだまま。しかもいつの間にやら、恋人繋ぎだよ。……だけど、おかげで安心してられるってか……。
「こういうとき、いやがらないのって珍しいね?」
「ん、まあ、ね……」
「訊いてもいいかな?」
「んー」
まあ、言って困ることはないけどねー。なんか弱味を握られまくってる感じかなー。まあいいけど。
「……子供の時、人混みで迷子になった。そんときから、人混みではぐれるのが怖いというか、不安というか……」
携帯で連絡とれるとはいえ、やっぱりそういうのがあって……。
「だから正直、こうして手にぎってもらえると、安心する……」
「……そうなんだ」
みると、顔背けて空いてる手で隠してる。どうしたんだろ? 怪訝に思って見てると、どうも何かを持ち直したよう。
「それじゃ、今日はこのままで」
「うん」
仕方ないし。
そうして、ご機嫌な様子のリュートと遊園地を楽しんだ。
能力値高し。されどメンタル以外と弱めなとこあり。のリコです。




