IX
君に関すること全てが
なにもかも嘘だったと
まっすぐ目を見て伝えたら
君はぼろぼろ涙を流して
どうして?と呟いた
ただ騙してみたかっただけ
そう答えたら
それも嘘?
返事が返ってきた
ああなんだ分かってるなら言ってよ
嘘付く意味がない
知らないから教えてあげたのに
ああ面白くない
もっと楽しい玩具でいてよ
もっともっと泣いて
干からびて砕け散って
それでもそばにいる
そんな人になって
*
夢で出会った神様は
今始めて僕に気付いたようで
驚いたような顔をした
僕を見つめて近寄ると
思いっきり力を込めて
首を絞めた
毎晩それは繰り返される
気付けば息は止まってて
僕の存在はなくなっていた
神様さえ知らない存在など
誰も知るはずはないから
*
約束、なんてそんなもの
僕を繋ぐことに関しては
なんの意味も持たない、ただの契約
君には本当がない
僕が要るのなら
そう言えばいいのに
つまらない意地張って
変に束縛してみせて
いくつも要らない約束させて
とりあえず何かで僕を囲もうとする
どうしても自分を見せはしない
触れようとはしない
引き止めるのにも手は使わない
そんなに怖い?
僕の心がどれだけ汚れてるか
自分の心がどれだけ醜いか
触れることで、近づくことで
気付いてしまうのがそんなに恐ろしい?
そんな思いは受け取れない
そんな心に思われたくない
逃げていい?いいよね?
君なんて知らない
それでも触れないつもり?
*




