表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

あいつは馬鹿で謎がある。

朝5時。

いくら夏だと言っても、朝は寒い。

当たり前か…だってここ、ボロ神社だし、いるだけで気味悪くて涼しいよ…。

だけど、秋ごろの掃除よりはましなのかな。いや、断然ましか。



ここは田舎町。それなりに商店街や、1,2件ほどコンビニがあるからあまり不自由はない。

そんな田舎町の林の奥に立っている神社、僕はそこでバイト中。

とはいってもうちのじいちゃんのとこだけどね。

バイトといってもボロい神社だし、こんな奥にあるから誰も来ないし、給料も小遣い程度だし…こう言ったらきりがない。

んー…いいところ…、あ、じいちゃんが優しくて、3時になったらおやつくれる!

この頃はスイカ切って出してくれるし!


ああ、僕のこと?僕は高橋一郎、高校1年。背も小さいし童顔だってよく言われる。

そのせいかよく小学生に間違われるし、近所のガキにも笑われる。うるせぇやい。

昔から人づきあいとかが苦手で友達が少ない。というかいないに等しい。

あまりたむろするのも好きじゃないし…ってふっきれているけれどね。

友達は野良猫でじゅうぶんですよーだ。



そんなこんなで、ボーっとしてたら6時、何これ時間流れるの早すぎ。

この時間になるといつものあいつが活動開始し始める。最近なぜかこの神社にすみついたあいつ…。


約2週間前、あいつが住みつきだしたのはちょうどそのころ。

僕はいつも通り、今日みたいに掃除をしていたわけ。そしたらいきなり


「おはよう、朝から偉いねー君。」


なんなんだ…?どこから声が…?

あたりを見回しても誰もいない。


「屋根の上だよほら、ふふっ。」


まさかとは思ったが、本殿の屋根を恐る恐るのぞいた。


(嘘だろ…、あいつ常識あんのかよ…。)


茶髪で髪の毛がいろいろハネてる頭、黒いジャケットを着て、型耳に黒いピアスをつけている20代くらいの男…。なにやってんの。つか、おいおい笑い事じゃねぇよオラァ。


「おっ、やっと気付いたかお嬢ちゃん。」

「お前、自分が何やっているのかわかっているのか!?それと僕は女じゃない!!」

「ごめんごめん、ここ、まだ人がいたんだねー。おんぼろだから見捨てられたとこかと思ってつい遊んじまったわ。わりぃねボーズ。」


いくらおんぼろで人がいなくたって、神聖な神社の本殿の屋根にのぼって遊ぶ馬鹿いねぇだろ…。

そしてボーズって呼び方は何だよ。イライラが溜まっていくばかりだ。


「なんか安心したわー人がいると、よし、俺ここに住もう!」

「は?ふざけているのかおまえは、ここがどんな場所なのかわかっているのか?」

「神社だろ?」

「そうだよ。」

「よしっ。」


なんだわかっているじゃないか、ひとまず許そう。

んっ…?違う違う違う!!


「おまえ、とにかくそこから出て行k」


「おじいさんおはようございます。素敵なお社ですこと。」

「お、わかるか?ここはこんなにぼろぼろになってしもうが、とてもいい場所なんじゃよ。」

「自然が入り混じってとても素敵ですね…このまま住んでしまいたい♪」

「おお!どうせ人もいないし本当に済んでしまってもかまわんぞ!!ハッハッハ!!」


おいじいちゃん、何言っちゃってんの。

つーかおまえキャラ変わりすぎだろ。誰だよ。

そんなこんなで住みつき始めたあいつ…。名前、聞いてなかったな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ