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プロローグ
裏路地から鈍い音や骨が切れる音が鳴り響いていた。
見てみるとそこには、まだ大人に成りきれていない幼い顔の和服を着た少女を囲むように、屍とかしたまだ温かみをおびる肉塊が転々と転がっていた。
少女は、作り物めいた顔をしており、感情を殺しているため、動かなければただの人形のようだった。
少女は、独特の生臭さがある血が付いた手を見て一つつまらなそうに溜め息をはいた。
そして、肉塊たちに背を向け一瞬気を抜いたとき、後ろから屍とかした仲間達の敵を取るために最後の体力を振り絞った者が、彼女の頭めがけて金属の棒を振るった。
「うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
金属の棒は、見事に彼女の頭に当たった。そこで少女は、初めてその顔に苦痛という表情をやどした。
自分の失態に舌打ちをしたくなりながらも、先に元凶を始末するべく、汗を浮かびあげながらも金属の棒を振り上げた“者”を“モノ”へと変えた。
少女は、意識が朦朧としてきたなか最後の力を振り絞り、通信機を壊すことでGPSにもなる緊急通信機を力一杯叩きつけた。
ガシャアアン
「き、づけ……」
そこで少女は、意識を手放した。