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最終章:再び、旅路にて

「そうですか、カンヅ叔父上が…」

 事の顛末を殿下に報告した後。彼の発した第一声はそれだった。

 同時にその話を聞いていたダッシャーさんは、あまりの出来事に声も出ないのか、それとも理解が追いつかないのか、呆然としている。

「わかりました。それで、この王宮の危機は去ったのですね?」

「ええ、そう思われます。」

 カンヅが仲間を呼ばなかった時点で、おそらくこの王宮内にはもうデビルや悪魔はいないだろうという結論になった。

 ダルの言葉の後、しばらくは沈黙が続き…やがて、殿下が口を開いた。

「わかりました。それで、今回の報酬の件なのですが。」

 よし来た今後の生活費!

 相手がデビルだった事を考えると、1000ゴルドはかたいわよね。

 ちなみに、1000ゴルドと言えば普通に暮らすぶんには100年間はお金に困らないくらいだと思ってくれればそれでよし。

 100カツーで1シル、100シルで1ゴルドという金銭単位は、ここでは常識的なことなんだけど。

「今回の戦いにおける王宮の損害を差し引くと…100ゴルドと言った所でしょうか。」

 ……

 な…?

「ちょっ!そんな!」

「これでもかなり譲歩しているんですが?ご不満でも?ルフィさん?何でしたら今後の魔道士長不在による損害額を差し引いても…」

 にこにこにこにこ。

 ………すみませんごめんなさいこれ以上差し引かないでもう贅沢言いません。

「どうやら、商談成立、という事ですね。」

 にこやかに言う事か!それが!

 悔しいけど…まあ、無駄な浪費をしない国王になれるってことだけは、確かみたいね…。


「…ルフィさん。」

「ん?」

 おずおずと、ラギスが尋ねてくる。

「何であの戦いのとき、デビルの本体があの光球だって気付いたんですか?」

「あ、それは僕も聞きたかったんだ。僕にもわからなかったのに…」

「勘。」

 もらった報酬でエッセントーイ名物、シフの塩焼きを飲み下し、私は二人の問いかけに端的に答える。

「勘って…」

「まあ、あの黒卵が最初以外全く動かなかったって言うのと、殺気があの光球から出てきてたって事も理由よね。」

「何だ、きちんとした理由が…」

「後付の理由だけど。」

 最後の一口を飲み込んで、ぽかんとしている2人を見る。

 …戦っている最中にそんな理由を考えられるわけないじゃない。結局戦場で最後にものを言うのは戦士としての勘よ。

 ……って…

「何でラギスがここにいるの?」

「あ、僕ですか?ツニル様に、この世界の様子を教えてくれと言われたもので。ですから、しばらくの間、お二人とご一緒したいのですが。」

「いいよ、一緒に来ても。ルフィも、いいよな?」

「それは別に…あ、でも旅費は自分で稼いでよ!?」

「はい。」

 にこやかに、少年の姿の黄金竜はうなずいた。

 …って言うか…ラギス、多分それクビって事なんじゃ…?

 とは口には出さず。

 かくして、私とダルの他に、ラギスという、これまた個性的なメンバーが旅の仲間に加わったのだった。

 今回は不死者とは全く関係なかったけど…次こそは必ず!私とダルがこんな体になった理由を見つけ……られたらいいなあ…。

 これにて、「General and Priest」第2弾、「蒼衣の神官」は終了です。

 ここまでご覧頂き、誠にありがとうございます。

 ルフィ、ダル、そしてラギスの3人は、今後どのような展開を迎えるのか。

 というかそもそも展開なんてあるのか?

 そう言ったことを含め、次回執筆の機会があればやらせて頂きたいと思います。

 それでは。ご意見、ご要望お待ちしております。

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