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【完結】比翼の乱世:老虎と鸞鳥の契り  作者: 深山 凛
◆第四章◆

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80/80

あとがき

『比翼の乱世:老虎と鸞鳥の契り』、70話以上にもなる長い物語を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。最後までお付き合いいただけたこと、心より感謝申し上げます。


すでにお気づきの読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、本作の劉彪と陰鸞は、古代中国「後漢」の初代皇帝である光武帝(劉秀)とその妻・陰麗華をモデルにしています。歴史の授業では、日本に「漢委奴国王」の金のハンコ(金印)を贈ってくれた皇帝としておなじみですね。


本作が生まれた原点は、私の学生時代に遡ります。当時の歴史の先生が、教科書には載っていないような歴史の裏側——特に偉人たちの「恋愛話」を学生たちに面白おかしく語ってくれる方でした。おかげでテストの点数には全く結びつかない恋愛エピソードばかりが記憶に残り、中でも光武帝と陰麗華の初恋の成就は、私の中に強烈な印象を残しました。

その後、授業がヨーロッパ史に進んでも、私は歴史のノートの片隅に二人をモデルにした妄想話を夢中で書き殴っていました。今の年齢になると「妄想なんて書いてないで先生の板書を写しなさい!」と当時の自分にツッコミを入れたくなりますが、当時の私にとっては授業よりも彼らの恋愛話の方がずっと重要だったのです。


それから数年が経ち、実家の断捨離をしていた時に、ふとあの頃の歴史ノートを見つけました。パラパラとめくってみると、そこには拙いながらも当時の情熱が詰まった「小説の種」がありました。「このメモを小説にしてみたらどうなるんだろう……」そんな興味から、仕事の合間に少しずつ書き始めたのが本作です。ずっと「読む専」だった私が、思い切って小説を書いてみるという行動に出られたのは、間違いなくこの古いノートのおかげでした。


しかし、実際に小説を書き始めてみると大変なことばかりで、中でも一番私の頭を抱えさせたのは……ズバリ、「劉彪の子供の数」です!


史実の光武帝はとても子供が多いのですが、私は事前にプロットと時系列表を作るタイプなので、小説の設定では史実よりもかなり人数を減らしました。その時点では「たくさん削った〜!」と満足していたのです。

ところが、いざ本文を書き始めると、陰鸞以外の女性との間にも次々と子供が生まれ、「えっ、ここでも生まれるの!? あれだけ削ったのにまた生まれたの!?」と、作者である私自身のツッコミが止まりませんでした。ですが、物語の船はすでに進み始めており、今から子供の数を削ると他の設定もドミノ倒しのように調整しなくてはなりません。「せっかく書いた原稿も消さなきゃいけないの? 修正するならどこから……?」と考えた末、私はそっと修正を諦めました。


その結果、なんだか劉彪がちょっと「ひどい男」のように見えてしまう部分も生じてしまい、私自身の技量不足を痛感しております。不器用な老虎を温かく見守ってくださった皆様には、本当に頭が下がる思いです。


実は、この作品を形にすること自体が小説執筆の私の最初の目的だったため、本作を公開予約した後は、すべてをやり切った満足感とともに、小説執筆からは「卒業」しようと考えていました。

というのも、公開当初、本作は本当に鳴かず飛ばずだったんです。

しかし、連載を進めるうちに徐々に読者の皆様が足を運んでくださり、リアクションやスタンプで温かい反応を届けてくださる中で、私の心境に少しずつ変化が生まれました。皆様からのリアクションの一つ一つが、「もうちょっとだけ、小説を書いてみようかな」と私の背中を優しく押してくれたのです。本作を見つけ、ここまで一緒に歩んでくださった皆様には、いくら感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。


物語の中盤では、後宮でのすれ違いや、組紐を外して送られた離縁状、そして陰鸞の実家を襲う惨劇など、二人にあまりにも過酷な試練が降りかかりました。執筆しながら私自身も胸が痛く、「早くこの二人を幸せにしてあげたい」と何度も手を止めそうになりました。それでも、絶望の底を這いずり回りながらも決して手を離さず、泰山の頂でついに完全な『比翼の鳥』として羽ばたく二人を最後まで描き切ることができたのは、ひとえに時に涙しながら見守ってくださった読者の皆様の温かい応援があったからです。


これからも、皆様の心に一時の癒しになるような物語をお届けできるよう、誠心誠意執筆に励んでまいります。

劉彪と陰鸞が築いた穏やかな治世のように、皆様の毎日にもたくさんの安息と光が降り注ぎますように。


最後までお付き合いいただき、本当に、本当にありがとうございました。


深山 凛

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