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終章
数日後、ライオスは王宮に戻り、公爵家の息子とアルバスの悪行を明らかにした。 そして、彼はアリスを王宮に招いた。
「君のおかげで、私は自分自身を取り戻すことができた。そして、君と出会い、初めて知ったんだ。この世には、奪うべき記憶ではなく、守るべき記憶があることを」
ライオスは、アリスの手を取り、真剣な瞳で言った。 「私と一緒に、この国の、そして人々の温かい記憶を守ってくれないか」
アリスは、孤独だった過去を思い出し、そして、ライオスとの出会いから生まれた温かい記憶を思い出した。 彼女は、微笑んで頷いた。
「…はい、喜んで」
二人は、温かい記憶を、そして、これから二人で紡いでいく新しい記憶を胸に、手を取り合った。 記憶図書館の司書は、一人の王子の未来を救い、そして、自らの幸せを掴んだのだった。