軍艦乗りの献立表─海軍主計科こぼれ噺─
ここは帝国海軍が誇る重巡洋艦「古鷹」のとある一室。
そして現在、ここでは主計科の長たる主計長が人生最大級の危機を迎えようとしていた。
すわ、緊急事態か、敵襲か。いいや、違う。「古鷹」主計長にとって目下最大の敵とは即ち──来週の、献立。
時は昭和初期。世界情勢が徐々に悪化していく中で、軍艦勤務の者も日に日に緊張感が高まっていた。
そんな海の男のご飯事情を支えているのが、軍艦の衣糧を担当する主計科所属の将兵たちだ。それはここ、重巡「古鷹」も例外ではない。
「主計看護が兵隊ならば、蝶々も蜻蛉も鳥の内」
などという嘲笑にもめげず、自分たちがいなければみんなの仕事が回らないという矜持を胸に、今日も主計科は独楽鼠のように駆け回る。
──これはそんな主計科の長として奮闘する主計少佐のお話。
※時と場合によっては飯テロに分類される話ですので注意してください
※主計科とは経理を担当している部署です
※この物語は実在する帝国海軍の重巡「古鷹」とも史実の人物とも一切関係の無い話です。
※作中に登場する旧海軍に関するうんちく話についても「ふーん」程度に聞き流してください。
※アルファポリスでライト文芸大賞に出したものの転載です。(https://www.alphapolis.co.jp/novel/386660553/133360260)
参考資料
『海の男の艦隊料理─「海軍主計兵調理術教科書」復刻─』
『写真で見る海軍糧食史』
『海軍カレー伝説』
『海軍と酒』
『日本海軍がよくわかる辞典』
『海軍よもやま物語』
そして現在、ここでは主計科の長たる主計長が人生最大級の危機を迎えようとしていた。
すわ、緊急事態か、敵襲か。いいや、違う。「古鷹」主計長にとって目下最大の敵とは即ち──来週の、献立。
時は昭和初期。世界情勢が徐々に悪化していく中で、軍艦勤務の者も日に日に緊張感が高まっていた。
そんな海の男のご飯事情を支えているのが、軍艦の衣糧を担当する主計科所属の将兵たちだ。それはここ、重巡「古鷹」も例外ではない。
「主計看護が兵隊ならば、蝶々も蜻蛉も鳥の内」
などという嘲笑にもめげず、自分たちがいなければみんなの仕事が回らないという矜持を胸に、今日も主計科は独楽鼠のように駆け回る。
──これはそんな主計科の長として奮闘する主計少佐のお話。
※時と場合によっては飯テロに分類される話ですので注意してください
※主計科とは経理を担当している部署です
※この物語は実在する帝国海軍の重巡「古鷹」とも史実の人物とも一切関係の無い話です。
※作中に登場する旧海軍に関するうんちく話についても「ふーん」程度に聞き流してください。
※アルファポリスでライト文芸大賞に出したものの転載です。(https://www.alphapolis.co.jp/novel/386660553/133360260)
参考資料
『海の男の艦隊料理─「海軍主計兵調理術教科書」復刻─』
『写真で見る海軍糧食史』
『海軍カレー伝説』
『海軍と酒』
『日本海軍がよくわかる辞典』
『海軍よもやま物語』
第一週「カレーライス」
(1)カレーを農村にまで広めて国民食にしたのは陸軍だという説がある
2020/04/29 02:02
(2)海軍はカレーライス、陸軍はライスカレー
2020/04/29 02:03
(3)当時は土曜日まで平日だった
2020/04/29 02:04
(4)結局、他人が作ったおにぎりが一番美味しい
2020/04/29 02:05
第二週「肉じゃが」
(5)給料の前借りはほどほどに
2020/05/06 22:53
(6)機関科との確執については元帥の名で検索
2020/05/06 22:54
(7)肉じゃがは海軍発祥の料理?
2020/05/06 22:54
(改)
(8)一番怖いのは計算間違いで全ての数字が狂うこと
2020/05/06 22:55
第三週「牡蠣の雑炊」
(9)兄と親の修羅場を見ていると弟は強かになる
2020/05/13 10:08
(改)
(10)ヘルダイブとは急降下爆撃の意
2020/05/13 12:12
(11)心が汚れている人の証拠
2020/05/13 12:12
(12)この世には良い幻覚と悪い幻覚がある
2020/05/13 12:13
三・五「海軍のお正月」
(13)ワードルームは大尉以上から
2020/05/13 22:42
(14)特定の誰かにしか作りたくない料理もある
2020/05/13 22:44
(15)そして駆逐艦乗りは大抵泣く
2020/05/13 22:44
(16)それは、星をも撃ち落とす情動
2020/05/13 22:45
第四週「味噌汁」
(17)早々簡単には割りきれないのよ、人間だから
2020/05/18 17:40
(18)たまには動揺だってするもの
2020/05/18 18:37
(19)当時のじゃがいもの値段は一キロ約六銭くらい
2020/05/18 18:38
(20)従兵さんには顔が良い人が多い
2020/05/18 18:39
第五週「鶏の旨煮」
(21)汝、他人の色恋沙汰に興味本位で首を突っ込むことなかれ
2020/05/20 12:45
(22)醤油に七味唐辛子を混ぜてみるのも良い
2020/05/20 17:38
(23)付き合うのなら断然、沈黙が心地良い人
2020/05/20 21:54
幕間「給仕と医学生」
(24)それは、人生を狂わせた出会い
2020/05/20 21:54
第六週「鮪の刺身」
(25)噂話をする時は伝声管を閉じませう
2020/05/27 10:07
(26)その名も同族嫌悪
2020/05/27 10:09
(27)艦長、思い出の酢飯
2020/05/27 12:48
(28)昭和のニコポン
2020/05/27 12:49
(29)献身と支配について
2020/05/27 12:50
第七週「海軍さんの紅茶」
(30)飲酒は二十歳の楽しみに
2020/05/30 00:24
(31)酒で逃げると後々さらに面倒臭いことになる
2020/05/30 00:25
(32)緑茶は氷で出すのが最高
2020/05/30 00:26
(33)察しの良い人間は悟ってしまうくらいに露骨な初恋
2020/05/30 00:27
第八週「オムレツ」
(34)伝書鳩は友達
2020/06/01 17:41
(35)同じ関西でも微妙に言葉は違う
2020/06/01 19:57
(36)籾殻は万能の緩衝材
2020/06/01 19:58
(37)卵もヘットで炒める
2020/06/01 19:59
幕間「注文の多い食堂」
(38)それは、まるで流星のように〈前〉
2020/06/05 12:59
(39)それは、まるで流星のように〈中〉
2020/06/05 15:09
(40)それは、まるで流星のように〈後〉
2020/06/05 15:10
第九週「鯉こく」
(41)高度な幻覚は時に現実をも上回る
2020/06/05 19:20
(42)隠れ天然腹黒は、案外自分の側にいる
2020/06/06 12:42
(43)春はこいの季節
2020/06/06 12:42
(44)生きてる魚の口に指を入れてはいけません
2020/06/06 12:43
第十週「入港ぜんざい」
(45)主計長と私物の出刃包丁
2020/06/09 12:54
(46)不法投棄、ダメゼッタイ
2020/06/09 15:06
(47)最初からやる気があるのなら苦労はしない
2020/06/09 21:22
(48)キャラメルの甘さに誘われて
2020/06/09 21:23
第十一週「ポーク・カツレツ」
(49)舷門とは艦の玄関
2020/06/10 17:37
(50)どこからともなくやって来る
2020/06/10 21:36
(51)猫は意外と人の話を理解している
2020/06/10 22:59
(52)ゴールデン・ソウル
2020/06/11 12:39
(53)誰もそこまでやれとは言っていない
2020/06/11 12:39
幕間「火を付けるのはいつだって」
(54)それは、嵐の向こう側へ届く咆哮
2020/06/12 12:55