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わ
「はじめ!」
毎朝繰り返し歩く通学路。変わらないいつもの景色。目をつぶっても歩けるんじゃないかと思うくらい通った道だ。
「おは!」
1年間歩き続けた道、この辛い道をあと2年歩き続けるのか…。
新学期早々、期待とは真逆の感情を胸にとぼとぼ道を歩く男が居た。
「おいっ」
頭をつつかれた、そういえばさっきから声をかけられている気がする。
でも、1年間誰からも接点の無かった通り道、この辺を通る友達なんて…。
「おお、なゆか」
白銀なゆ、去年からまあまあ仲良くしている女の子だ。ルックスはいいし、スタイルも悪くない、それにとにかく明るいやつだ。一緒にいると何だか元気を分けてもらえる気がする。
「やぁ、おはよう! 今日から新学期だねー!」
「おはー。今日からまた学校とかまじ死ぬ…」
同じ新学期でもみんな楽しみという訳じゃない。俺みたいに絶望に染まっているやつも多い…。いや、そっちの方が多いだろ。