7話・同調と補助機脳の誕生
俺の名前はシオロー・ポンズ。
ひと月前に盗みを働いちまって牢屋に入れられちまった。
なんだって?食い逃げ?
そんなチンケなもんじゃねぇ。
驚くなよ?
国営銀行襲撃だぁぁ!!
ここはバーグハン収容所っていう王国最大のムショに入れられちまった。
逃げ出せるわけなぇ。
だが今日は特別労働日っていう日だ。
この先にあるグラデミス炭鉱っていうおっかねぇとこで働かされる。
いつもは杭うったりして強制労働させられてるんだが今日はここよりヤバイムショの囚人達も来るらしい。
仲間に「どれだけヤバイんだ?」って聞いたら震えだして漏らしてたよ。
其奴は二年前からいるらしいんだが相当ヤバイらしい。
「おい、ショウユーさんよ。今日来る奴らはどんだけヤバイんだ?」
「これでも一応看守だぞ。いいか、今日来る看守には絶対逆らうな」
「なんだそれ?」
「其奴はな、看守の中でもトップに立っているやつでな。お前らより危険な思想を持った
精神異常者、危険思想所有者、国家反逆罪に問われた犯罪者を一人で管理しているやつだ。」
「化け物じゃないか」
「そんな事其奴の前で言ったら、、
『来たぞー!!囚人は全員牢獄から出せ!』
「来たみたいだぜ?」
「まぁ頑張れよ」
「はぁ?」
「新しいのがだいぶ増えたな」
「ここ最近で犯罪件数はうなぎのぼりです」
「貴族は何の対応もしていないのか?」
「自らが住んでいる土地のみです。それ以外は何もしていないようですね」
「それなのにこのざまか。呆れた。まあいい、全員連れて行け」
囚人が全てグラデミス炭鉱に連れられていく。
グラデミス炭鉱は良質な鉱石が取れる場所だが環境が異常に悪いのだ。
凶悪な魔人形が出現するのだ。
だがここまで凶悪な犯罪者ともなるとそれなりの能力を持っている。
全員に能力を返しておいたので魔人形ぐらいには対処できるだろう。
まあ、バカがいなければな。
囚人はバーグハン収容所の看守と龍刀之騎士団に任せておく。
彼らなら万が一もないだろう。
(俺も行ってみるか。この鎖鎌の具合も確かめておきたいしな。)
彼はグラデミス炭鉱の中に入っていく。
彼はいま囚人から奪った能力はない。
誰もが無力だと思うだろう。
だが違う。
彼はもうすでに死んだ囚人の能力を今でも持っている。
そもそも能力は所有者が死ぬと能力も同時に消える。
だが、彼は死んだ囚人のスキルを今でも持っている。
それはつまり“能力が彼を所有者として認めた”ということである。
スキルは意志を持たない。
いや、持っているかどうかを確認できていないということが正しい。
彼はグラデミス炭鉱に入っていく。
そこに三体の魔人形が立ちはだかる。
土属性の土魔人形である。
他にも火魔人形や水魔人形というのもある。
とりあえず鎖鎌自体は使える。
過去に囚人から奪った強力級能力・『操鎌』と『操鎖』があるからだ。
どちらも使うと鎖と鎌の扱いが上手くなるというものであった。
さらにそこに奪った通常級能力・『剛腕』を使う。
この能力は使うと30分筋力が5倍になる。
だがクールタイムとして使用後1時間筋力が2分の一になる。
5倍の筋力によって放たれた分銅は一体の土魔人形をやすやすと砕く。
分銅をこちらに戻し遠心力で勢いを増した鎌によって残りの二体もバターのように切り裂かれた。
(感覚はつかめた。あとはとりあえず殺ってくだけだな)
奥に進んでいきいろいろな方法で土魔人形を屠っていく。
鎌を巨大化して普通のでかい鎌のようにして戦ったりもしてみた。
どれもかなり攻撃力と性能が高かった。
(流石は魔導宝具といったところか。魔導宝具と言えばスキルと同調するってって言ってたな。どうすればいいんだ?)
「とりあえずなんか言ってみるか。能力・『牢獄』同調!」
PON!!
___________________________
魔導宝具のLvがたりません
残りの必要採取数は78です
現在のLvは2です
能力・『牢獄』の能力Lvは3です
___________________________
目の前に半透明な板が浮かんでいる。
(よくわからないが、後78体倒せばいいのか?)
よくわからないがとりあえず土魔人形を一体倒す。
すると78の部分が72になった。
「これは敵の強さに依存する数字なのか?とりあえず後あと36体か。骨が折れる」
何せ意外と土魔人形は出てこないのだ。
36体目の頃には5時間も経過していた。
8分に一体の頻度頻度である。
「とりあえず0になったな。能力・『牢獄』同調!」
____________________________
能力・『牢獄』と 魔導宝具を
同調させます。
本当によろしいですか?
YES・NO
____________________________
「何の文字だ?古代文明の文字なのか?とりあえず多い方を押してみるか」
PI!
_________________________
同調しています。
能力を使用しないで下さい。
同調しています
能力を使用しないで下さい
__________________________
VIN!
________________________________
エネルギー波同調中
成功しました
構成物同調中
失敗しました
未知の物質です
能力・『牢獄』の発動が必要です
了承を確認済み、自動的に発動します
物質の構成エネルギーを確認
構成物同調再開
構成物同調中
成功しました
同調第一段階成功しました
_______________________________
「これで終わっ、、、
VIN!
_________________________________
第二段階を開始します
使用者魔力同調中
成功しました
能力Lvに魔導宝具Lvを相互加算します
双方のLvが6になりました
奪取能力を調べます
同系統の能力の混在を確認
統合します
奪取能力の統合に成功しました
奪取能力の数が670→20に変化しました
統合により奪取能力の全体的な能力が上昇しました
特殊能力と特異魔導宝具の
同調により補助機脳誕生しました
名前を入力してください
▶︎あかさたなはまやらわ
いきしちにひみ り
うくすつぬふむゆる
えけせてねへめ れ
おこそとのほもよろを
ん
_____________________________________
「うん?これ触れるのか?とりあえず、えい」
PI!
PI!
PI!
__________________________________
▶︎あかさたなはまやらわ
いきしちにひみ り
うくすつぬふむゆる
えけせてねへめ れ
おこそとのほもよろを
ん
名:アシス
名前は変更できません
よろしいですか?
YES・NO
___________________________________
文字が大きい方を押す。
PI!
______________________________________
能力・『牢獄』と魔導宝具の同調が完了しました
それにより補助機脳:アシスが誕生しました
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『よろしくお願いしますマスター!』