21話・狂戦士
ものすごく短いです!
小鬼の断末魔が森の中に響き渡る。
リルタナの一方的な戦闘が始まってから約1分。
12匹いた小鬼たちはすぐに死体へと変わり顔は恐怖に満ちている。
因みに俺の顔も引きつっている。
自然に。
何故か。
恐らく小鬼をやっているときの顔がとてもいい笑顔だったからだ。
少しばかり小鬼に同情する。
死ぬ前に見た顔が自分を殺して楽しんでいるゆがんだ笑顔だったらちょっと怖い。
いやだいぶ怖いです。
大量に返り血を浴びたリルタナがこちらに向かってくる。
こいつ本当に元王女か?
「今失礼なこと考えなかった?」
「いえ?別に?」
『後方に三体の豚鬼を確認。少しですが取り逃がした豚鬼王の部下でしょう』
「私が行くわ」
「気をつけろよ」
「大丈夫よ」
オーク達がいた方向に走っていくリルタナ。
なんか心配になってきた。
魔物とかに突っ込んでいって罠とかにかかったりしないだろうか。
『リルタナが罠にかかりました』
「え?うそ」
『うそです』
「このヤロォ」
『リルタナが戻ってきました。心拍数の上昇を確認。興奮しているようですね。少しクールダウンしたほうが良いでしょう』
「いやよ。せっかくこれだけの力を手に入れたのよ?使わないでどうするの?」
「お前なぁ」
『気持ちはわかりますが一旦落ち着いてくださいリルタナ。貴方は急激に力を得たことによって冷静さを欠いている』
「うるさいわね!」
『一時的な能力の返還を行いましょう』
「そうだな」
「いやよ!」
「だめ。アシス。やれ」
『はい』
「な!?」
リルタナが急激に足の力を失い地面に座り込む。
アシスさん曰く能力による補正があったため今まで立っていられたが補正が失ったため戦いすぎた疲労が急に押し寄せてきたためだろうと言っていた。
目に見えて落ち込むリルタナ。
こればかりはしょうがない。
ほぼ戦闘狂というか狂戦士になっていたからな。
『焦りは禁物ですよリルタナ。過度な戦闘は失敗を招きます。それが命取りになる事もあります』
「そんな事知ってるわよ」
「それだったらもう少し落ち着け」
「しょうがないじゃない。折角ルルの仇を取れるんだから」
「お前見たいのを単細胞って言うんだな」
『それは少しデリカシーがなさすぎですよ?』
「なんで単細胞なのよ」
「いくら魔物を殺したとしてもルルって言う奴が生き返るはずがないしそもそも魔物をこの世からなくす事なんてできない」
「そんな事わかってるわよ」
「それにだ。いくらお前が魔物を殺したとしても殺し方がひどすぎて金にならない!」
「はぁ?」
『討伐証明部位を完全に破壊しているので組合に持っていっても面倒ごとが起こる確率70%です』
「とりあえず強さはわかったから能力はお預けな」
「なんでよ!」
『先ほどと同じことが起こりそうだからですよ」
「う、、、、」
押し黙ったリルタナを連れて森の奥へと入っていく。
小鬼の討伐は自体は完了したが討伐証明部位がないので奥の方まで狩りに行かなければ無くなった。
しばらく歩いていると30m先に小鬼が10体ほどいることがわかったので『索敵眼鏡』と『連射格子銃』を使って全てのゴブリンの眉間を貫通させて倒した。
ほぼ無限に伸びるのではないだろうかと言う鎖を使って小鬼の死体を回収し討伐証明部位であるツノを剥ぎとる。
「森出るぞ」
角を麻袋にしまって反対方向に歩いていく。
だんだんと木々の数が少なくなっていき遂に森の外に出た。
この森はかなりタガエルから近く、タガエルで登録をした初級冒険者達は大体ここで初仕事を行う。
タガエルに戻る道が森の近くにはありここは結構交通量も多く熟練冒険者も少なからずいるので初級冒険者達の中には熟練達に心得を聞いたりするものも多いそうだ。
ここからはタガエルが見えている。
(思った。もう逃亡する必要なくね?)
『いえ、まだ続けたほうが良いでしょう。捕まったデラードやその他貴族は多数の犯罪組織と関わりを持っていたと推測できます。そのような組織からの報復などの恐れもあります』
(あ〜。成る程な。それで次はどこいったらいいと思う?)
『となりの国家。ドストリア帝国へといったほうがよろしいでしょう』
「「え?」」




