18話・説教と身バレ
ここはギルドの一つの部屋。
だがその部屋は誰しもが入れる場所ではない。
そう!
ここはタガエルのギルマス、ウンゴルの部屋!
別名、悪魔の居城!
この悪魔は頭はつるハゲで筋骨隆々の男である!
その部屋で8人の男女(正確には1人)がお説教を食らっていた!
「再誕、何か言うことがあるか?」
「「「「誠に申し訳ございませんでした」」」」」
「お前らが言うことはないだろ。さーて、受付のコノン。貴様は言うことがあるはずだ」
「え〜と、居眠りしてしまって申し訳ありませんでした?」
「ちがーう!いつもそうだが貴様はなぜ以来の推薦級を見ずに受付するのだ!」
「す、すいませんでした!」
「あと少しで二人の命がなくなる所だったんだぞ!」
「う〜、ごめんなさ〜い!!」
「さて鎖鎌だっけか?この度は当ギルドの失敗で危険にさらしてしまい申し訳なかった」
「別に大丈夫だ」
「私は何もしていないしそもそも冒険者じゃないわよ」
「あのギルマス?一ついいですか?」
「何だサーナー?」
「討伐証明部位です」
魔法道具で有ろう袋から取り出したのは彼らが回収したオーク達の耳だった。
「ッ!?なんだこの量のオークは!?」
「ギルマス!これオークじゃないです!ハイオークが数百体、オークジェネラルが数十体、それと、」
「それとなんだ!?」
「オークキングです」
「なんだと!?サーナー!お前がこれを討伐したのか!?」
「いや、確かに討伐はいましたけど俺たちは6割、そこのえ〜と?」
「リズン」
「そう、リズンが4割倒しました」
「なん、だと?」
「本当なんですか?それ?」
「本当ですよ」
無論嘘である。
彼らはここに来る前に示し合わせ大嘘をついているのである。
理由はサーナーがこんなにもらっては申し訳ないからせめて級上げだけはさせてくれと土下座したためである。
「そうなるとこいつは銅級から一気に金級、
いや白金級まで行ってしまうぞ!」
「どうするんですかギルマスゥ!前人未到の最高記録ですよ!」
「リーダー!俺らは歴史的な瞬間に立ち会ってますぜ!?」
「そうだな、俺らが苦労して上り詰めた座がここまでたやすくたどり着かれるとは、ぐはぁ」
「リーダー!?起きてください!リーダー!」
「あ、言い忘れていたが、」
「なんだ?え〜と?」
「リズン」
「そう、リズン」
「鉄級でいい」
「「「「「「「はぁ??」」」」」」」」
「アシス、リズンは何を言ってるの?」
『主人の級がここで一気に上がった場合デラード、またはその一派に現在位置が
バレる可能性があります。そのためにも地道にやっている普通の冒険者程度の級で止めておかないと
襲撃の可能性が高まります』
「あ〜、そういう事」
「ダメだ!」
「なんでだよ?別に級を上げろとか言ってねぇだろ?」
「そういう問題ではない!ギルドのルールに各冒険者には適切な級をつけなければいけない
という決まりがあるんだ!」
「ギルド内でのルールだろ?法律違反ではないから捕まりはしないぞ?」
「俺が責任を負うことになるんだよ!他人への迷惑も少しは考えろ!」
「そうですよ〜!なんか居場所とかがばれて困ることがあるんですか!?」
「「・・・・・無いです」」
「なんだ今の間は!」
「なんか事情があるんですってギルマスゥ!」
「くっそ!おいサーナー!どうにか、、って気絶してるぅ!」
「そこの〜え〜と、」
「リズン」
「リズンさんが一気に白金級に成るのがショックで気絶しちゃいました」
「なぁ、リルタナ。俺の名前は地味なのか?決めた本人が教えてくれ」
「知らないわよ!」
「あ〜もう!落ち着いてください!」
シーン
「あ、思い出した」
「何をですか?」
「コノンさん誰かに似てるなって思ったらカラドールの受付嬢のコレンっていう受付嬢に似てるんだ」
「姉を知ってるんですか!?」
「え?姉妹なの?」
「はい!姉妹でアイドル受付嬢やってます!」
「それは自称だと思うぞコノン」
「それよりもなんで姉を知ってるんですか?」
「カラドールで登録してな。あそこのギルマスが絡んで来たから多少ボコったが、、ん?」
(あれ?なんかみんな驚きの表情をしてるんですけど、、、)
『恐らくマスターがあの不届k、ごほん!カラドールのギルドマスターを倒したという
事実についていけてないようです』
「なんだと?」
「あの、カラドールの魔王を打ち破ったというのか?」
「多分タガエルの悪魔って言われてるギルマスには言われたくないと思いますよ」
「何か言ったかサーナー?気絶からの回復おめでとう」
「何も言ってないですよ」
「うちのギルマスと双璧をなす脳筋鬼畜性格極悪ギルマスを破ったんですか?」
「俺も悪いように聞こえるだろコノン?今月は減給」
「ひ、酷い。やっぱりギルマスは悪魔だぁ。私の苦しい生活をさらに苦しくする悪魔なんだぁ」
「お前のせいだ」
「あ、まさかこの前コレン姉さんからギルドの通信玉で連絡が来たんですけど
怖い看守ってもしやあなたじゃ、、、」
「通信玉?」
「ギルドの間で使える業務用の魔法道具です」
「コノン!通信玉を私物化するな!」
「来たものはしょうがないじゃないですかぁ!」
「それはそうだが、、」
「っていうか看守って格好してないじゃん」
「まさか元看守?」
「この時期で退職した看守って一人しかいなくね?」
「なんで看守の情報を知っているんですかうちのギルマスは?」
「「「「「「まさか、、、」」」」」」
「別に違うからな?」
「そうよ!別に私元王女とかじゃないし!」
「自白するなバカ!」
「あ、、」
「あ、、じゃねぇ!」
「やっぱりぃ!」
「あなたが王女殿下なんですね!?」
「王女じゃないからぁ!」
「元王女殿下!」
「やめてぇ!」
「静かにしてください!」
シーン
「大方状況はわかりました。あなた方は逃げている。そうですね?」
「ああ、そうだよ。まったく」
「だからこそ名のある冒険者になってしまうと居場所がばれてしまう」
「そういうことだ。だから級はあまり上げないでくれ」
「でもこの量の討伐数どうします?」
「こまってることあるか?何かしら手伝えることがあれば、、」
「ああ、あるぞ」
「なんだ?言ってくれ。できるかぎり協力する」
「お金がないのよ」
「「「「「「え?」」」」」」
沈黙が訪れる。
そりゃそうだ。
逃げているとはいえ元王女。
お金に困っているなどとは思いもよらないだろう。
結局俺らは3万ドリューというそこそこの大金を持ってこの街を後にすることになった。
その時にリルタナは冒険者登録をし名前をリルと改め活動する。
そしてリズンは、偽名、いや名前がなかったため付けていたら『鎖鎌』という名をやめリズンという名前に変更をした。
リズンの冒険者としての級は鉄級となり今後活動していくこととなった。
の、はずだった。
高級な馬車に揺られながら移動する事5分。
冒険者ギルドから出て行こうとしたらウンゴルにまたもや呼び出されこの街を納めているカタイラ伯爵に呼び出されたのだ。
どうやらウンゴルが領主であるカタイラ伯爵にこの街を壊滅させるほどの大規模な魔物氾濫が起きそうになったが食い止められた。という趣旨の報告をしお呼ばれされてしまったのだ。
貴族でもない俺やサーナーにはどうすることもできずお呼ばれに応じたのだが非常にまずい事態であった。
カタイラ伯爵がもしリルタナを女王としてこの国を再建する策を提案したらここまでの苦労が無駄になると言っていい。
デラードの一派に狙われるかもしれないしそもそもリルタナは不正があったとはいえ裁判で国家反逆罪を言い渡された身なのだ。
この国の法律には一度判決が下ったら覆せないものになるというものがある。
いくら俺の権限ないで釈放したとはいえ罪人の判決は覆らない。
そしていくら民衆が動こうにも法律は変えられないのだ。
まあ、この点を考えるにカタイラ伯爵がリルタナを利用するとは考えられなくなった。
だがもしカタイラ伯爵が偽善者だったら?
デラード側だった場合隙を突かれて殺されて終わり。
俺は殺されはしないと思うがリルタナはわからない。
うーん。
可能性を考えれば考える程わからなくなっていく。
まあいいか。
あってから考えればいい話だ。




