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牢獄の番人と冤罪の姫  作者: 書くのはいつも唐突に
王国編
14/22

14話・冒険者の生活1

「号外!号外!デラード公爵が王城を乗っ取った!」

「デラード公爵は逮捕されたらしいぞ」

「ああ、前国王陛下はすでに亡くなってるそうじゃないか」

「そうなると王位は誰が継ぐのか、、」

「ガラード殿下は王位継承権を剥奪されてるしリルメナ様はもう捕まったらしいしな」

「それが、新聞屋に情報売ったのってリルメナ様と“あの”牢獄の番人らしいぞ」

「事態を重く見た番人が売った話は聞いたが、、」

「俺は駆け落ちしたって聞いたぞ」

「それ本当かぁ?」

「噂が一人歩きしただけだろ」

リルメナ脱走から三日後、

彼女らは新聞に事情をばら撒き王都から出て行った。

新聞屋はこれだけのビックニュースを得たがため連日で号外が発行されデラード派の貴族やその他、牢獄の番人が残して行ったファイルからも多数の貴族が龍刀之騎士団によって裁かれ多数の領地は領主がいなくなり混乱を招いた。

この国が大国で無くなるのも近いだろう。







様々な人々が行き交い大通りには露店が並び街により活気を与えている。

この街の名はタガエル。

王国一の善良貴族と呼ばれるカタイラ伯爵が治めている街であり今回の騒動でも混乱が起きなかった街だ。

そのためか捕らえられた貴族の領地から逃げ出してきた人が多数いるため領内は活気だっている。

「いつまでそこにいるの?買うの買わないの?」

「迷ってる」

俺は今、究極の選択を迫られている。

目の前にあるいい香りを漂わせながらジュウと音を立てる豚串焼きを買うか買わないか。

そこまではまだいい。買うの一択だろう。

が、お金が一本分しかない。

素晴らしいほど金欠なのだ。

腰にぶら下がってる魔導宝具(マジシャンメゾット)を買ったおかげでな。

『この街にもギルドがあるじゃないですか。そちらを使って稼げば良いのでは?』

「一本137ドリュー!買うかい?」

「買おう」

「まいどあり!」

店のおっちゃんから肉汁が滴る豚串焼きをもらう。


はむ、、


ムシャムシャ、、


ゴクン、、


香ばしいスパイスの香りとあふれんばかりの肉汁。

柔らかい豚肉の味が口内を包む。

うまい。

「幸せそうに食べるわね、、どうするの?お金ないわよ?」

「ギルドに行く」

「ギルドって冒険者ギルドのことよね?」

「ああ、それがどうした?」

「この前の奴見たいのがうようよ居るところでしょ?」

カタカタカタ、、、、

「いやいねぇよ」

「本当に?」

「本当だ」

この前の奴っていうのは俺たちが逃げ出した時にリルタナを襲おうとした奴らのことだろう。

「なに?怖がってんの?」

「怖がってないわよ!」

「んじゃ先に入ってよな」

「わ、わかったわよ」

早足になるリルタナを追いかけながらギルドに向かっていく。

この街のギルドは大きくあふれんばかりの人が押し寄せていた。

「なんだこの騒ぎは?」

「兄ちゃん知らないのかい?有名なパーティーの『再誕(リ・バース)』が

 ここにきてるらしくてな。それでメンバーに加えてもらおうと冒険者が

 押し寄せてる状態さ。俺もその一人なんだがな」

「へぇ」

再誕(リ・バース)と言えばリーダーが白金級(プラチナ)でその他のメンバーが全員銀級(シルバー)以上の超強力パーティだったはずだが、、、

リルタナを外に待たせ長蛇の列を組んでいる冒険者の間をかいくぐり中に入る。

中も満員だが受付と依頼ボードは空いていた。

依頼ボードとはそのギルドにきた依頼を貼っておく場所で色々な依頼がある。

薬草採取だったり畑を荒らす魔物の討伐だったり、、

どうやら他の冒険者は奥の席に座っている再誕(リ・バース)が謎に開いている採用試験を行っており全員バッサリ切られている。

『マスターに最適な依頼の確認。右から5列目、上から三列目です』

「上から5列目、下から三列目、、これか」

そこにはオークの巣の殲滅が書いてあった。

殲滅とは言っても追い出せればいいようだ。

その依頼を剥ぎ取り受付に持っていく。

この騒ぎのなか依頼を持ってこられると思ってなかったのかびっくりした様子で対応していた。

「はい。オークの巣の殲滅ですね、ふわぁ」

(こいつ、受付なんだからしっかりしろよ)

『同感です。マスターがせっかくきたというのに!』

(せっかくというわけでもないんだがな)

「討伐証明部位は耳です。間違えないように気をつけてくださいね」

受付の人から依頼承諾書と言う‘この依頼を受けましたよ’の証明書をもらい外に出る。

「早かったわね。で?何受けるの?」

「オークの巣の殲滅だ」

「私は待機で、、」

「ダメ」

「え〜〜〜」

いやがるリルタナを説得して巣の殲滅に向かう。

巣は山奥にあり洞窟のような形をしているらしい。

タガエルを出て数十分の距離にあるらしく歩いて行くと日が暮れる。

『俊足』があるから別にいいけど。

「ちょ!何すんのよ!」

リルタナを抱え最高速で巣に向かう。

「こっちの方が速いだろ?」

「そうだけど!」

(なんでこいつが怒っているかがわからないのだが教えてくれ)

『それはマスターが気づくべきです。前方に二体のオークを確認』

片手で鎖鎌を使い喉元と耳を切り裂く。

持っていた袋に耳を入れてそのまま巣に向かう。

リルタナをオークが気づかない位置で降ろして巣の方向に隠密で近づく。

一つの大きな洞がありそこからオークの気配を感じられた。

そのまま俊足を発動し洞の浅いところにいたオーク5体を斬っていく。

奥に近づくにつれ段々と息苦しくなってきた。

しかも臭い。

『どうやら最上位種の豚鬼王(オークキング)がいるようです。

 オークキングから溢れる魔力がこの洞に充満しているのでしょうね』

「ヤバイじゃんかよ」

『警告。奥から複数の豚鬼将軍(オークジェネラル)が接近』

少し大きい地響きとともに今、五体の魔物が姿を現した。


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