10話・不思議な夢
カランカラン
店のドアが開く音が聞こえる。
中は客で賑わっており酔っているものも多い。
だが数人の客は情報目当てで来ているのだろう。
酔ったふりをして順番を待っている。
この酒屋は情報屋だ。
店員は酔ったふりをした客に注文を聞きメニューとともに渡す。
知る人ぞ知る情報屋なのである。
中には別国の国旗を身につけている者もいる。
「お客さんご注文はこの紙に書いて渡してくれ」
「わかってるよ」
書くのは当然この王国の黒い方の噂だ。
注文を書き終わり店員に渡す。
1分ほどで薄い酒とともにメニューが渡される。
「ありがとな」
「料金は弾むよ?」
「大丈夫だ」
薄い酒を飲み干しメニューに挟まれた王国に情報を取り出す。
そこに書かれているのは驚くべきことだったのだ。
国王は謎の体調不良により現在昏睡中。
それにより急遽王子の即位準備が始まり通り巻きの貴族の力が増大。
中には公爵になった者もいる。
完全に黒であった。
それに各貴族の税金横領と賄賂。
かなりの数だった。
これがすべてばれたら、バーグハンか絶望の牢獄行きだろう。
正直言ってしまえば俺は子爵あたりより権力がある。
別に貴族位をもらっているわけではない。
ただ単に王城地下の牢獄を使って国家転覆をされたくないからであろう。
資料を持って外に出る。
近くの宿屋に行き部屋に泊まる。
これだけ証拠があるのだ。
例え王といえどもこの国の法律には従わなければいけない。
元々法律の地盤を作ったのは初代国王でありそこに、
〈第3条・この国の王族・貴族は法律に従い政務を行わなければならない。またこの法律は改正できない。〉
と記載されている。
これは万年揺るぎない者であり長年、王族・貴族をある意味縛り付けていた。
布団に入り眠ろう。
今日は疲れた。
夢を見た。
とてつもなく変な夢だ。
温かみのある部屋でくつろいでおり部屋には幾つかの小さい絵が飾ってある。
そのなかで一際目立つ者が二つある。
一つは小さい地図だ。
この世界の地図は各国で作られ大概作った国が中心で書いてある。
それによりここは全く別の国であることがうかがえる。
もう一つは3人に人が描かれた絵。
一人は俺だ。
その隣にいるのはリルタナ。
そして二人と手を繋いでる小さな女の子がいる。
((誰であろう?そしてなぜリルタナが俺の隣に?))
鏡がある。
そこに写っているのは間違いなく俺だった。
手を動かそうとするが体が別の行動を始める。
どうやら俺に体を動かす権利はないようだ。
その部屋を出て歩いて行く俺の体は急に立ち止まり上の階にあがった。
可愛らしげな部屋に入ると絵の少女がベットで寝ていた。
それを見てなぜか安堵の感情がこみ上げる。
勝手に動く体は外に出る。
その手には花があった。
静かな街の中を数分歩き墓地に入っていく。
その中の一つの前に花を置き何かをしゃべる俺。
その墓はススで汚れていてあまり見えなかった。
勝手に動いた体がススを手で払う。
一文字だけ字が見えた。
そこで夢は終わった。
「はぁ、はぁ、はぁ、、」
身体中が汗でベトベトにている。
(公衆浴場でも行くか、、、。)
彼はおもむろに立ち上がると宿屋を出て公衆浴場に向かう。
中は朝ということもあり空いていた。
なみなみとお湯が入った風呂に入る。
体の疲れが取れてなんとなく落ち着く。
(いい湯だな。なんであんな夢を、、、あれ?どんな夢だっけ?)
『どうされたんですか?』
「うわ!」
『申し訳ございません。脅かしてしまいましたか?』
「なんで喋れんの?」
『私の本体は二つあり特異魔導宝具と特殊能力・『牢獄』です。私はこの二つのを行き来できます』
「そういうことか。つまり見えてないんだな?」
『いえ。見えていますよ?マスターの凛々しいお姿』
「俺にプライバシーは無いのか?」
『その質問はお答えできません』
「もう上がるわ」
『きゃ!』
「どうした?」
『ご、ごほん。なんでもありません』
「そ、そうか」
服に着替えて外に出る。
既にたくさんの人が通りを往来しており夜とは違う活気があった。
カラドールは情報都市のようなものだ。
よってたくさんの人が集まる。
俺は一つの建物に向かっていく。
国家権力に縛らない世界最大の組織であり様々な依頼を受けてくれる場所。
冒険者ギルドへと、、
どうもみなさん!私の名前はコレン!
カラドールの冒険者ギルドのアイドル受付嬢です!
受付嬢は頭が良く仕事が出来る人じゃないとでき無いんですよ〜。
すごいですよね!
今日も見慣れ無い人がたくさんいます。
やっぱりこの街は需用がありますからね。
変な看守の服を着た人もいます。
バーグハン収容所の看守さんなのでしょうか?
カウンターに近ずいてきました。
すこし怖いです。
「すまないが登録はここでいいのか?」
「登録ですか?ギルド会員の登録はこちらですよ?」
「ありがとう。登録をしたいのだが?」
「分かりました」
カウンター下にある登録用紙を出して差し出す。
「この紙に記入をお願いします」
紙を渡すと看守さんは紙を見て渋っていました。
「どうかされました?」
「いや、これは偽名はありなのか?」
変なことを聞きますね。不思議な人です。
「ありですよ?」
「助かる」
何かから逃げている人なのでしょうか?
渡された紙を見ると名前の記入欄に鎖鎌と書いてありました。
本当に不思議な人です。
「職はどうしますか?」
「職?」
受付の女性に聞き慣れない単語を言われて困惑する。
「はい。全部で8個あります。
剣を使う剣術職
魔法を使う魔法職
大盾を使う盾職
弓を使う弓職
剣以外の武器を使う多武職
格闘技を使う格闘職
偵察をする盗賊
仲間を回復・補助する回復職
があります」
「それじゃあ多武職だな」
「分かりました。カードを作成してきますので少々お待ち下さい」
受付嬢が奥に消える。
するとそれを待っていたとばかりに三人の冒険者がこちらに近ずいてくる。
「兄ちゃん。ちょっとツラ貸せや」




