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中指 立てたら  作者: 福島崇史
225/248

一閃

キック界の狂犬が失神KO敗け…

本戦1試合目は申し分ない盛り上がりを見せた。

会場に熱を蔓延させるエエ試合やったな!

まぁ……その前にウチの彼女がドえらい事やらかして、既に会場は温まってたんですけどね。ええ…。


そんでもって今からはスタンディングバウトの第2試合。

1試合目の荒神vs御手洗が中量級やったのに対し、今度はバリバリのヘビー級対決!

思えば今のK-1や総合も軽量・中量級がメインになってるのに、時代の流れに逆らうまさかのマッチメイクや!


出場選手は…

剛力ごうりき すぐる

今や数少ない日本人ヘビー級選手。

そんな理由わけやから必然的に外国人選手との対戦が多いんやけど、パワー負けせぇへん恵まれた体格のお陰で11戦8勝2敗1分けと、なかなかの戦績を誇っとる。

190cm・105kgで動ける日本人は少ないからな、これからも期待されるヘビーの星ってところやな。

整った顔立ちやし、ここで知名度が上がれば更に人気も出るやろぅさ…女子の。ワイ…めっちゃジェラシー湧くやんけ!


対するはオランダの名門「鉄拳ジム」から参戦する、

ウィリアム・ヘルナンデス選手。

戦績は24戦16勝4敗3分1無効試合のベテランやな。

とは言え老頭児ロートル感は全く無く、今も現役バリバリで最近の試合を見る限りはコンディションも良さげや。

胸と腕を和彫りの刺青が埋めつくしとるし、スキンヘッドも相まって“ヤバい”空気を醸し出しとる。

実際にオランダは治安も悪いし、未だバウンサーって職業が成り立つお国柄やからな…

ヘルナンデス選手もカフェ店員やったらしいし。

あ!ここで言うカフェってのは皆んなが想像するカフェとちゃうからな!

オランダでカフェっちゅうと、マリファナ(葉っぱ)を売る店の事やから!

まぁ当然ながら飲食も出来るんやけど、メインはあくまでマリファナ!

違法や無いで!なんせ国営で葉っぱを売ってるんやから…

だからカフェ店員ってのは、マリファナを売る店の用心棒的な立ち位置やな。

当然、喧嘩慣れしてるやろぅし、どんな闘い方するんか楽しみやで♪

因みにこの2人の因縁は、あるキックの会場で顔を合わすなりヘルナンデスが剛力に暴言を吐いたらしい。

もちろん剛力は激怒!スワッ!乱闘か?となったところで関係者が間に入って事無きを得たんやと。

その遺恨の決着が合法的にリング上で着くって訳やな!

え?どんな暴言やったんや?ってか?

………チビっ子が知ったらアカン部類の言葉やろなぁ…知らんけど(関西逃げ)


先に入場したのは青コーナー側の剛力。

腰まわりの肉が少しダブついてるのが気になった…

続くは格上、赤コーナー側のヘルナンデス。

パーカーのフードを被ってるんやけど、そこから覗く目つきはワイでもゾクゾクする程に鋭い。

リングに上がってパーカーを脱いだら、身体も見事に仕上げて来てる。

剛力がデカいだけに細身に見えるけど、身長185cmで体重が92kgあるからな…必要な筋肉は充分に足りてる。


レフリーのボディチェックが終わり、両者が自陣へと下がった。

緊張感で静まり返る会場…その空気をレフリーの声が引き裂いた!


「ファイッ!!」


開始と同時にジャブを連打しながら突進する剛力!

体格を活かしたええ戦法や!と、言いたいとこやけど…

鈍重な動きのせいで、突っ張り連打で突っ込む力士にしか見えん…

それでも体格差のせいか、アッと言う間にヘルナンデスがロープを背負う!

いきなり決めにかかったのか、剛力がパンチと膝を連打!!

いや…コンビネーションもクソも無く、街のチンピラみたいなソレは連打や無くて乱打やな……

で、そういう闘いに慣れてんのはヘルナンデスの方や。


思った通り致命傷を与えられず、悪戯にスタミナを消耗しただけの剛力。

見る見る乱打のスピードは落ち、手打ちの上に打つ時のガードも下がってしもてる。

そんな隙を老獪なヘルナンデスが見逃すはずも無く、剛力のスローモーな右フックをダッキングでかわしながらカウンターの右ショートフック一閃!!

ストンと腰から落ちた剛力はそのまま前のめりに倒れ、土下座みたいな体勢で意識を失った。


1ラウンド、1分2秒…

スタンディングバウトの2試合目は、またも早い段階でのKO決着で幕を閉じる事になったんや。

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