表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中指 立てたら  作者: 福島崇史
211/248

膝と膝

みんなお待たせ!

1週間も勿体ぶった柔とチコ・マルチネスの試合内容と結果を報告するわ!


言わんでもわかってると思うけど、これはバレットの無差別級タイトルマッチ…

ルールはパウンド有り、ロープエスケープ無しのMMAルールや。

俺が勝ち、俺が優勝し、俺様が王者となったあの大会は、ロープエスケープ有りのロストポイント制やったから根本的に違う競技やな…

まぁ統一戦がどんなルールになるのかは、両団体が話し合って今後決まるやろからとりあえず置いといて、早速試合のレポートに入るやで♪


コールを受けた両者…

柔はいい具合にリラックス出来てる感じやった。

対するマルチネスは少々気負い過ぎてるって印象やったなぁ…

で、ボディチェックを受けてる間もメンチ切りながらやたら身体を揺すってるマルチネスに対し、俯いたまま目線すら合わせない柔…こちらも対照的やった。

でもな!俺は見逃して無かったで!

柔は静かに俯いてたけどな…確かに嗤ってたんや!!


そしていよいよゴング直前、柔が差し出した両拳を上から叩き落としたマルチネス。

それすらも鼻で嗤った柔。

この時点で俺は柔の勝ちを確信し安心してたわ。

ほんでもって2人がコーナーに戻ると、すかさずゴングが鳴った!

振り向いて間もない柔へと一直線に走るマルチネス!

奇襲の飛び膝蹴り!!

それを左横にステップしていなした柔!

更に驚いたのはステップした左足で跳ねあがり、そのまま膝をマルチネスの米噛みに叩きつけたんや!!

飛び膝への飛び膝によるカウンター!

マルチネスがゆっくり前のめりに崩れ落ちる…がっ!柔は動きを止めない!!

すぐさま背後に回り込みスリーパーの体勢へっ!

せやけど膝で既に勝負は決まってた。

マルチネスの意識が飛んでるのに気づいたレフリーが柔の身体を突き飛ばし、両腕を激しく頭上で交差させたんや。

開始8秒…衝撃の秒殺劇やった…


それを見た俺は身体が小刻みに震えるわ、歯はカチカチ言い出すわで興奮を抑え込むのが大変やったで。

あれが武者震いってヤツなんやな…嬉し恥ずかしの初体験やったで♪

正直言えばマルチネスにもっと頑張って貰って、柔の技の引き出しを見たかったけども…

何の参考にもならへんかったからなぁ…


トロフィーやらベルトやらの贈呈…そんな一連の流れが終わると、アナウンサーからマイクを渡された柔。

四方に深々と頭を下げ終わると、清々しい笑顔で口を開きよったわ。


「ご来場の皆様!御声援のお陰で勝つ事が出来ました!ありがとうございます!!」


ここで沸き起こった拍手と声援…それが収まるのを待って再びマイクを構える。


「皆さんも御存知とは思いますが…4ヶ月後、俺はある男と闘います!その男は学生時代からの悪友で、いつかタイトルを賭けてデカい場所でろうって約束を交わしてました!それがついに実現します!!その男へ一言だけ言わせて下さい!勇…」


何を言ってくれるんかと俺はドキドキしながら続きを待った…すると


「時は来たっ!それだけだっ!!」


え…?この場面でまさかの橋本真也って…

正気ですか?と言わずにはおれんやろ…

でもオモロかったんは、柔の隣に立ってたアナウンサーが吹き出しそうになるのを顔を逸らせて隠してた事。

まるっきりあの時に橋本の横に居た蝶野やんけ♪


まぁこれがアイツが王座に就いた一連の流れや。

そして4ヶ月後いよいよ俺達の約束の日がやって来る!

試合は多分MMAルールになるんやと思う…

それでも俺はあくまでプロレスラーとして臨む所存!!

さて!そんじゃそろそろ練習を始めますかね♪




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ