表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中指 立てたら  作者: 福島崇史
210/248

花束贈呈

武人もののふ”を制した2ヶ月後、傷も癒えた俺は京セラドーム大阪に居た。

人気格闘技イベントの“バレット”を観戦する為や。

観戦と言うても座ったのは客席やあらへん…

主催者のはからいで、武人もののふの覇者として主賓席で観させて貰ったんや。


流石、金を持っとる人気団体は違うと思ったで…

趣向を凝らした派手な演出…

人気芸能人のゲスト出演…

休憩時間かて只の休憩時間やあらへん…

アメリカのメジャースポーツばりのショータイムやで?

貧乏団体のグングニルにはとても真似出来へんよアレは…

こんなん言うたら大作さんに怒られてまうけどな、ハハハ…

せやけど俺は、そんなもんを観る為に行った訳やあらへん!

俺の目的は唯1つ!

そう…柔のタイトルマッチだけやったんや!!

もちろん他の試合も熱戦揃いやったけど、柔の事しか頭にあらへん俺からすれば申し訳無いけども“アウトオブ眼中“やったわ。


試合数はルーキーズも合わせて全部で15試合と

かなり多かった。

でもKOや1本での決着が多く、意外とサクサク進行してたわ。

セミファイナルはバレットのバンタム級タイトルマッチ…王者アメリカのジム・トンプソンに、日本の坂口トモロヲが挑んだんやけど僅差で判定敗け…

ここは勝って次の柔の為に弾みをつけて欲しかったところやけど…まぁしゃあない!

内容的には押してる部分もあったし、次に期待が持てる敗北やった。


ほんでもってや…

実はこの後で大任を任されてたんよ俺…

メインを闘う2人に花束を贈呈するっちゅう大仕事や。

まぁ…この試合の勝者と俺は4ヶ月後に統一戦をやる訳やから、その事を考えると当然の流れやってんけどな。

リング下で両者の入場を待ってる間、自分の試合前よりも胸が高鳴った…

3万5千人って大観衆の前で“アイツ”が王者に挑む…しかも無差別級やで?

体重75kgそこそこの柔が、90kgを超える相手にどう闘うのか…そりゃ俺の胸も高鳴るのもやむなしっしょ!?


で…先に入場してきたんは当然ながら挑戦者の柔。

俺と目が合うとあのアホ、ウインクしてニヤリと笑いよったわ。そんだけリラックス出来てるって事やから安心したけどな。

続いてデスメタルのメロディに乗って王様の登場や。

ブラジル出身のチコ・マルチネス…

例に漏れず柔術使いやけども、これまでの試合の殆どを打撃で決めてる変わり種や。

細いながらもしなやかな筋肉…

190cmの長身で手足が異様に長く見えた…

バネの様な筋肉はネコ科の猛獣を連想させ、長い手足は蜘蛛を連想させる…ヒョウと蜘蛛の合成獣キメラって感じやったな…


両者のリングインが終わり、リングアナの紹介でいよいよ俺もリングに入ったんやけど、どうしても目が柔にしか行かんかった…

もうこうなると一種の恋やな…そんな事を考えると自然と笑えたわハハハ♪

ほんで…先ずは挑戦者の柔へと花束を渡す。

握手を交わしながら…


「待っとるで…」


そう声を掛けるのと全く同じタイミングで…


「待っとけよ…」


柔が言いよった。

俺達は大笑いしそうになるのを必死で堪えたわ。


次にマルチネスへの贈呈…

握手を交わすと奴も口を開いた


「ヤワラ ノ ツギ アンタ! ナカヨク オネンネ マッテルヨロシ♪」


俺はそれを鼻で嗤うと…


「やなこった♪」


そう答えて直ぐに背を向けたったんや。


おっと!話が長くなってしもたな…

試合内容と結果が気になるやろけども、それは次回に持ち越させて貰うわ!

ゴメンやでぇ♪イヒヒヒ♪







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ