駆け引き
「シュートボクシングに投げや立ち関節技がある事を知り、私…驚きを禁じ得ませんっ！！」
「いや…あの…勝瀬津さん？あまり声高に言わない方が……」
「それはともかくっ！投げられた不知火！後頭部を押さえたまま立てませんっ！！ここでレフリーがダウンを宣告したぁ～っ！！」
「不知火選手、早くも2つ目のダウンですね…流れは完全に薄井選手の方にありますが……」
「さあっ！不知火！！立てるか？立てるのかぁ～っ！？」
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「な？ムエタイにぁあこんなの無かったろ？
ところがどっこい！シュートボクシングにはあるんよなぁ…投げ技がよ♪」
「ぐぬぅ…又しても不覚を取ったわ…だがっ！この程度の投げ技で某を討ち取れるなどとは思わぬ事だっ！！」
「思っちゃいねぇよ。てか…これで立てねぇ様なら逆に拍子抜けやっちゅ～ねん。御託はええからチャッチャと立たんかいな♪」
「むうっ！」
「そうそう…それでええねん♪」
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「お～～っ！立った！立ちました不知火っ！！」
「ここからどう反撃に出るか…見ものですね！」
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〝まさかシュートボクシングに打撃以外の技があるとは…確かに奴の言う通り、某の勉強不足…ぬかったわ…だが！こちらとて手の内全てを見せた訳では御座らぬ！〟
「へえ…なんか吹っ切れた顔してんなアンタ…つまりは策があるって事やな？よっしゃよっしゃ♪ド～ンと来なさい！」
「では不知火鉄心…推して参るっ！！」
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「お？又も不知火選手が先に動きましたね…」
「確かに！不知火がジャブを連打で間合いを詰めるっ！！さあ～ここからどう動くのかぁ～っ！？」
「ん？」
「どうしました大作さん？」
「いや…薄井選手の動きが少し不自然かなぁ…と…」
「と、言いますと？」
「打撃のレベルでは薄井選手が確実に上回ってるはず。なのに反撃する素振りも見せずに不知火選手のジャブ連打を許している…何か狙ってるとしか思えません」
「な、なるほどっ！言われてみれば確かに！！」
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〝さぁ～…時代錯誤の忍者さんよ…アンタの狙いは解ってんぜ♪打撃を前フリにしての寝技狙い…だろ？俺が立ち関節は使えても寝ての関節技は使えねぇ…そう踏んでの事なんだろ？だが俺はロープ際まで下がったぜ？この位置で俺を極め切れっかい？さあ来なっ！受けてやんよ…アンタの挑戦！〟
〝ぬっ！？反撃しやすい様にわざとヌルいジャブしか打たなんだが、誘いには乗らぬか…ならばこれならどう出るっ！？〟
「え…？」
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「なぁ～んと？不知火っ！跳びあがりながらのジャンピング左ストレート～ッ！！まさかの奇襲だぁぁ～～っ！！」
「しかし薄井選手もちゃんとガードして…いやっ！」
「あ～～～っ！！不知火が更なる追撃ぃ～っ！
右の手刀を薄井の鎖骨に叩き込んだぁぁぁ～～っ！薄井の動きがガクッと止まるぅ～っ！！
しかし不知火は止まらないぞっ！！」
「う、上手い！薄井選手の動きを止めておいて、股下に潜り込んだ！！」
「そのまま足に絡みついたぁ～！薄井がたまらず前のめりに倒れるっ！！」
「これで両者の位置が入れ替わりましたね…
薄井選手がロープから遠ざけられました！」
「さあ不知火！ここからどう動くかぁ～っ！？」
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「不知火流…海草…！」
「がぁぁぁ～～っっ！！！」
