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中指 立てたら  作者: 福島崇史
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古武術対決

いよいよ最終ブロックのDブロックが始まる!って時に、ちょっとしたトラブルがあった。

トラブルっちゅうたら語弊があるけど、まぁアクシデントみたいなもんやな。

Dブロックの第1試合に出場予定やった柔道の瀬尾(せお) 宇一郎(ういちろう)選手が、ウォーミングアップ中に膝を負傷…

試合を棄権する事になったんや。

これによりシュートレスリングの内名(うちな) 激丸(げきまる)選手の不戦勝、そんな訳でリング上ではDブロック第2試合…

合気道の三尾(みお) (まもる)選手と古武術の不破(ふわ) 敏郎(としろう)選手の闘いが始まるところや。


三尾選手…

まだ30代の若さで免許皆伝という異例、そしてその異例を周囲が認めざるを得なんだと聞いた。

今は奈良で道場をやっとるらしいけど…

いや…それ、どんだけ天才やねん!

身長165cmくらい…体重は60kgあるか無いか…

〝小柄〟っちゅうても差し支え無いやろぅな。

ま、合気道使いでゴリゴリのマッチョなんも嫌やわな。

やっぱ〝柔よく剛を制す〟の幻想は抱かせて頂きたいもの。


対する不破選手…

古武術ってだけで流派は明記されとらへん。

合気道も古武術の一種やから、この試合は古武術同士の闘いっちゅう訳やな。

こちらはこちらで又、すこぶる〝普通〟って印象や。

身長こそ175cmくらいはありそうやけど、体重は70kg切ってるやろな…

一言で表すなら〝優男〟ってのが一番しっくり来るかな…

マンガで()いたら〝線〟で表現されそうなほど細い目…それがまたマンガ的に緩やかなカーブを(えが)いて垂れ下がっとる。

口角も常に軽く上がってて、誰もが〝優しそう〟〝いい人そう〟って印象を持つやろな。

んでもって武術家とは思えんくらい〝ゆるふわ〟に遊ばせた髪型…

こ、こいつ…っ!絶対モテるやんけっ!!

ま、まさか、この男臭いトーナメントでモテキャラが登場しようとは…………俺以外に…


「さあぁ~~っ!いよいよ始まります!Dブロック第2試合!!」


「うわっ!?ビックリしたぁ……か、勝瀬津さん?い、いきなりどないしはりましたん?」


「あ、コレは失礼しました。何か私の目の届かぬ所で、誰かが言ってはならぬ不謹慎な許せぬ発言をしていた様な気がしたものですから!」


「は、はぁ…(大丈夫かな…この人……)」



ん?なんか寒気がしたし、くしゃみも出たし…

まさかここに来て風邪なんて事無いやろな?

シャレならんで…

まぁどこぞのかわいこちゃんが噂でもしてたんかな?俺の事♪

そんなアホな事を考えとったら、モニターからアナウンサーの絶叫が届いて来たんや…


「開始7秒~~~っ!!このまま決まってしまうのかあぁ~~~っ!?」



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