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中指 立てたら  作者: 福島崇史
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トーナメント参加メンバー決定

ついに大会1ヶ月前…

鈴本さんの言う通り、あれからの練習は地獄やったわ…いや、ほんまにキツかった!

先ずは打撃の基礎を徹底的に仕込まれた。

元々リズム感も悪いせいで、なかなか上達せんくてな…練習のメニューに〝ダンス〟まで組み込まれる始末…ほんま往生したわ。

で、上手くなったんか?と訊かれたら、正直〝うん〟と胸張って言う事は出来へんなぁ…

マシになったってレベルやわ。

まぁそない直ぐ直ぐ上達したら苦労せんわな。


で、次に仕込まれたんが柔術流の寝技や。

プロレスのベースになっとる〝キャッチ・アズ・キャッチ・キャン〟とは全く異質の技術…

一時期、柔術家が格闘技界を席巻してたんも頷けるわ…こんなん知らん人間には絶対に対処し切れへんもの。

将来、柔と()り合いたくてフリーになった俺が、柔が使うのと同じ技術を学んでる事に少し葛藤はあったよ。

いや!それよりもプロレスラーの俺がプロレス式じゃない寝技を学ぶ屈辱…

心の中で〝カール・ゴッチ先生…すんません!ほんますんません!!〟って何度も詫びたもの…

でも柔術の技術は防御にしか使いません!

勝つ時はプロレスの技で勝つ事をここに宣言致しますっ!!


でもって…この2週間ほどは学んだ技術を自分なりに再構築してる。

総合の試合でキックボクシングや柔術の技術をそのまま使える訳や無いからな…

寝技に持ち込まれない打撃の打ち方や、打撃を掻い潜って寝技に持ち込む方法…それらを模索しながら自分流に改良中って訳よ。

で、最終的にはそこからプロレス技で仕留める迄のシステムを完成させな…な。


あともう1つ…絶対にやらなアカン事がある。

この猛練習のお陰で体重が激減してしもたんよ…

85kgまで落ちてしもた…

幸いにも大会は無差別級で体重の制限はあらへん。だから残りの1ヶ月で10kgは増量せんとな。あ、もちろん動ける状態でってのが大前提やけども。

やっぱプロレスラーはデカくないとなっ!

技術の再構築に身体の再構築…まだまだやる事が多くて忙しいで。


お?大作さんがニヤニヤしながら近付いて来る…

こういう顔の時の大作さんは2つに1つ…

めっちゃええ報せがある時か、なんか悪戯を仕掛けて来る時や…

手を後ろに回してるんも気になるなぁ…明らかに手に持った何かを隠してますやん…


「勇くんっ!ついにトーナメント参加者が全員決まったで♪」


大作さんはそう言って、後ろに隠してたメンバー表を俺に差し出して来た。

なんか…疑ってスンマセンした…


「どした?なんや申し訳なさそうな顔してからに…」


「あ…いえ!別に何でも無いっす!」


取り繕う様にしてメンバー表に視線を落とす。

そんな俺に大作さんは、含みのある物言いでこない言うたんや。


「なかなかの面子が揃っとるから、全員の名前をしっかり見るんやでぇ…」


「あ、はい…」


確かに有名どころの名前があちこちに見える…

でも期待した〝暮石 柔〟の名前は残念ながら見当たらへんかった。

いや…待てよ?それやったら大作さんは、何であんな意味深な言い方しはったんや…?

疑問に感じて再び最初から全員の名前に視線を走らせた。

すると…最後から2番目に見知った名前を見つけたんや。


「どや?お友達の参戦も決まったで♪」


悪戯っ子みたく言う大作さん…

いや、メンバーが決まった事の報告よりも、この名前を見た俺の反応を見るのが楽しみやったんやろな…やっぱ悪戯が本命やったっちゅう訳かいな。


最後から2番目にはこんな名前が記されとった…

〝寺野 竜士 セレクト所属〟と。

どういう流れでそうなったかは知らんけど、つまりはティラノの参戦が決定したっちゅう事っちゃ

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