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中指 立てたら  作者: 福島崇史
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試合レポート

MMAは勿論、キックボクシングルールやロストポイント制ルールまで、バラエティーに富んだ試合が組まれた格闘技イベント〝バレット〟


オープニングマッチは、大作さん率いるグングニルのルーキーマッチやった。

グングニルはMMAルールからの撤退を公言しとるから、ルールは勿論ロストポイント制。

結果は15分時間切れのドローやったけど、両選手とも無名のルーキーながらこれだけの大舞台で見事に闘い抜いたと思う。


第2試合はキックボクシングルール。

3分5Rで顔面への肘・膝有り。

片や日本ランキング8位の赤井選手…

それに挑むのはランカーですら無い青木選手。

ただしこの試合結果はランキングに影響せぇへんらしい。

とはいえ…青木選手からすれば〝ランカー喰い〟のチャンス!ここで勝てば注目度が上がるんは間違いあらへん。


で、肝心の試合内容やけど…

両者譲らずの激しい展開で4Rまでが終わった。ここまでを個人的に採点するなら、判定は全くのイーブン。

せやけど5Rにとうとう均衡が崩れた…

青木選手が放った顔面への肘!

これが赤井選手の額をカットしたんや。

静脈が切れたらしく出血が酷い…

当然ながらドクターチェックが入ったんやけど、傷口を見た瞬間にリングドクターが首を振りはった。

それを見て即座にレフリーが頭上で手を交差させる…何度も…何度も…

けたたましく打ち鳴らされるゴングの中、コーナーで応急処置を受けながら赤井選手が悔しさを滲ませる。


何より素晴らしかったのは青木選手の佇まいや。

これ程の舞台で格上を喰ったんやから喜びを爆発させそうなもんやけど、ガッツポーズ1つも取る事無く、少し離れた場所から赤井選手の様子を見守っとる…

ほんで赤井選手がリングを後にするのを頭下げながら見送って、控え室に姿が消えるまでその姿勢を保ってはった。

その後も静かに四方へと一礼をし、何1つアピールする事も無くリングを去ったんや。

その武道家然とした所作が、逆に彼を印象づけるアピールとなった様な気がする…

今後の活躍が気になる選手やで。


さて…こっから先は全部MMAの試合や。

もっとも休憩前には空手の演舞やら、グングニル障害者部門の試合が挟まれるらしいけどな。

とりあえず第3試合は外国人選手同士の試合。

青コーナーはムリーロ・ロドリゲス…

ブラジルで〝褐色の悪魔(ディアーボ)〟と呼ばれるルタ・リブレの選手。

対するのは〝リアルアメリカンヒーロー〟の異名を持つジョン・クランシー…アマレスとボクシングを自分なりに融合させた技術を使う強豪や。

どちらも海外の有名な大会に出場経験のあるメジャー選手やな。

これは見ものやで♪


おっと…柔の試合目当てのはずが、普通に1観客として楽しんでしもてるな俺…ハハハ…

休憩時間にそそぐちゃんを大作さんに会わせるという〝憂鬱〟はあるけども、それまでは不安を忘れて試合をレポートさせて貰うわ…

とりあえず…うん…とりあえず…ハァ…


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