表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中指 立てたら  作者: 福島崇史
136/248

後日談

ティラノとトリケラの試合から一晩経った…

あの試合、ティラノがトリケラのエスケープを無視した上で、故意に肩関節を外したって所までは話したと思うけど、実はその後も大変やった…

アモーンの事でブチ切れたティラノは、肩を押さえて踞るトリケラに〝本気で〟殴る蹴るの暴挙に出たんや。

更には止めに入ったレフリーのゴリラ新井さんにまで暴行…

異変を察知して駆けつけた、モリスエや先輩レスラーにも暴行って〝狂戦士〟ぶりを発揮。

俺が背後から忍び寄り、スリーパーで絞め落としてようやく事態は収拾ってオチ。


でもな、問題はそれだけで済まへん…

欠場中のアモーンに加え、トリケラまでが長期欠場する羽目になったやろ?

んで当然やけど…これだけの事をしたティラノには、会社から謹慎処分が言い渡されたんや。

つまりや…出場選手6人の内、3人が欠けた訳やん?当然〝若武者杯〟は継続不可能って事で中止になってしもぅた。

恐らく今日・明日には、会社から正式発表がされると思うわ。


ただでさえ選手の少ないウチの団体や…

若武者杯のカードが無くなったら、興行しようにも試合数が少な過ぎる。

となると、他団体から選手を借りて来なアカン訳で、その分だけ余計なギャラも発生する…

つまりティラノのアホは、会社にそれだけのダメージを与えてしもうたんや。

ほんまクビにならんかっただけ〝めっけもん〟やで実際…

で…今日の午前中に選手ミーティングがあったんやけど、その場でティラノの謹慎の件と若武者杯の中止が俺達に伝えられたんよ。

その時にやな、昨日の乱闘騒ぎに唯一駆けつけなかった男であるヲ~タ先輩(パイセン)が言いよったんや…


「え!中止~っ!?めっちゃ残念~…ここから僕が奇跡の逆転優勝するはずやったのにぃ~♪」


隣に座ってた俺も流石にムカついてな、反射的に手が出そうになったんやけど、我に返って土壇場で止めたんや。

でも周りを見渡すと先輩レスラーも、あのモリスエさえもが頷きながら無言で俺に〝GOサイン〟を送って来てた。

だから俺は…


「失礼します…」


と、一言添えて裏拳を鼻っ面に叩き込んでやったわ!まぁ勿論本気の一撃や無いけどな。

それでも椅子ごとブッ倒れたヲ~タ先輩(パイセン)、半泣きなりながらワ~ワ~叫んどったけど、全員がそれを無視してミーティングは進行したんや。


なんにせよ今後の事を色々考えなアカン事になった。団体も…俺自身も…な。

先日、柔と会った事で固めた決意、本来なら若武者杯で優勝してから実行するつもりやったけど、今回の事で早まるかもしれんなぁ…

あ、柔で思い出した!

明日は柔に招待された格闘技イベント〝バレット〟の当日や。

つまり柔にとって初の王座挑戦の日…

俺の決意を再確認する為にも、アイツの闘いっぷりを見届けに行こうと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ