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FreeMusic  作者: 坂下真言
13/15

ルシアンコーク

 今日は1月3日、正月だ。だらだらと過ごして今日初詣に向かう。といっても近所の神社だが。

 参拝を済ませてお守りを買う。太田に健康祈願のお守りもお土産で買う。新年最初の運試し、おみくじを引く。

「お、大吉だ」

 思わず呟く。幸先がいい。内容を読むと結構いい事が書いてあった。努力が報われるとかいろいろ。

 ただ北方面の旅行は避けろとの事だった。まぁ特に旅行する気は無いが。一応心に留めておこう。

 甘酒を飲んで温まる。そして1年に1回しか食べないクレープを食べる日だ。これはなんとなくだが自分に制限をかけている。

 これが美味しく食べるコツである。かれこれ5年以上これを続けている。

 明日は平日になるからバイト行く前に太田にお守りを渡してこよう。そんな事を考えて寝る。おやすみ俺。

 翌日、バイトは17時からなので昼頃起きる。そして出かける支度をして太田の見舞いに行く。『HappyBirthday』は太田のアドバイスも入って順調に組み上がってきている。

 アドバイスを聞くのも数日おきだから時間がかかるのは仕方の無い事。でもソロでやるよりはいい曲が出来ると思っている。

 ドアをノックする。

「どうぞ」

太田の声が聞こえた。

ガラリ、とドアを開ける。太田はボールをにぎにぎしながらこちらを向いた。

「あけおめ。ことよろな!」

俺は太田に新年の挨拶をする。

「おう、去年は見舞いとかで世話になったからな。こちらこそことよろだぜ」

 太田は笑いながら返してくる。リハビリとプロテインの成果が出ているのか腕も足も結構筋肉がついてきたみたいだ。

 自分が渡したものが役に立っていると嬉しくなる。

「おお、そうだ。やっと少しだけど歩けるようになったんだよ」

「お、やったな! 退院の日も近いんじゃないか?」

「いやーまだちょっと先になるだろうな。トイレに行くのが精一杯でまだ階段は上り下り出来ないしな」

「あー階段は辛いな。少しずつ筋力もついてるみたいだし無理しない程度に頑張れな」

「おう!」

「あ、これ、神社で買ってきた健康祈願のお守り。大事にしろよ?」

「サンキュー。早く健康になりたいぜ」

「そうだなぁ。そういうのって失ってから痛感するよなぁ……」

「栄太は健康だろ? バイトも行ってるみたいだし」

「いやそうだけどさぁ……太田見てるとしみじみそう思うなぁってね」

「それな! 大事だぞー」

「俺も気をつけるわ……」

 そんな馬鹿話をしてバイトに行く時間になった。

「それじゃ俺これからバイトだから。プロテイン欲しければまた言ってくれな」

「あいよ。バイト頑張ってらい。あと店長にもあけおめ言っておいてくれ」

 言伝を預かってバイト先へ向かう。向かいながらふと考える。太田が退院したら実家で療養するのだろう。

 そうしたら太田の故郷まで向かわないといけないのだろうか。でもすぐに部屋を借りて住めとは部外者の俺には言えない事だからなぁ。

 まぁその辺は太田と相談して決めるしかないか。

 バイトは定刻通りに入り、雑誌の返品などの作業をしながら過ごした。晩飯は当然廃棄の弁当を貰っていく。

 店長に太田が新年の挨拶をしていた事を伝える。店長も嬉しそうで笑顔になっていた。

 バイトも終わり部屋に帰る。そして今日打ち合わせをした『HappyBirthday』を組み直す。だんだん形になってきた。

 このまま一気に組み上げてから太田の意見を聞こうか考える。ビールでも買ってきて飲みながらやるか迷う。

 アルコールがあった方がノリノリで組み上げられるんだが、副作用として熱が入りすぎて音を詰め込みすぎる傾向がある。

「決めた。飲むか」

 寒空の中、最寄りのコンビニまで徒歩で行く。自転車は当たる風が冷たくてヤバい。今日は何を飲もうか。

 この前がウイスキーだったから今日はルシアンコーク(ウォッカをコーラで割ったお酒)を飲もうと思い材料を買う事にした。

 当然寒くてもロックで飲む。やはり酒は冷えているのが一番美味いと思う。

 コンビニから部屋に戻り酒を飲む。割り方を間違えると結構キツいのでちびちびやる。体が徐々に火照ってくる。

 いや、温かくなってくるといった方が正しいか。暖房も入ってる事だし。ロックアイスが溶けてカランといい音を出す。

 まるでドラマのワンシーンの様なハードボイルドな気持ちを味わう。まぁ『HappyBirthday』自体はポップな感じで作っていく。ハードボイルドとは無縁な感じで。

 酔った勢いでどんどん組み上がっていく。音を抜き気味にして少し注意しながら作る。少々スカスカかなと思いながら勢いに任せてなんとか組み上げた。

 俺は夢をよく見るタイプの人間だがそれが正夢になる事も多い。何故だかは分からないが。ただ大体の夢が日常のワンシーンだから、何か重要な夢とかは見ないのである。

 ただ夢に影響を受けて曲の構想が決まる時があるが。

 そんな事を考え何かヒントがないかなぁと思いつつ夢の世界にダイビングしていった。 

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