2話「コンフリクト」
「っおい!何なんだよあれ!ハァハァお前は何者なんだよ!」
とフェンリルと呼ばれた狼に問う。
「コンフリクトだ」
ただ一言俺が聞いたことがある言葉を放つ。
「コンフリクトだと……?神々が戦い合うとかいうあの封筒の悪戯のことか?!」
「悪戯ではない、あれは事実だ」
「信じれるわけないだろ!」
「すまないテュール……巻き込んでしまって、お前の右腕までなくしてしまった」
「んなっことはどうでもいい!なんだよあれ!あいつ空を走ってくるぞ!畜生!」
俺は無我夢中で走った。たどり着いた先は間合いが取れやすい具合の広さの公園だ。
「おや?おいかけっこは終わりですか?人間」
「ハァハァ追いかけっこだぁ?空を飛ぶのは反則なんじゃあないのか?化け物」
「追いかけっこにルールなんてありましたっけ。ククク」
「俺様ルールだ馬鹿野郎」
「ハッハッハッ、それはそれはすいませんでした。ではその狼をこちらに渡してくれませんかね?」
「嫌なこった、化けて人間様を騙すようなやつには渡しはしない!」
「では実力行使しかないようですねぇ……死ねぇ!!」
避けた。俺でも信じられない。あんな早い攻撃を避けるなんて。
体が勝手に動いたのだ。これが神の力なのか……
「今のを避けるとは、なかなかやりますね。でも次はこうは行きませんよ!」
二発目が来る。やばいと思った瞬間左腕が動いたのだ。
ロキの腹を突きで突き刺していた
「この力……お前も神なのか?フフフ、フハハハハ、いいでしょう私も傷を治したいので一週間後また襲います。精々怯える一週間を過ごすといいでしょう。フハハハハ。」
とロキは言い、華麗なステップを踏んで空中へ飛んでいった。
「逃げ足だけは……早いなハァハァ」
初めての戦闘で体力を消耗していた俺は、いつの間にか意識を失っていた。
気がついたのは早朝の5時いつもの時間だ。どうやら俺をフェンリルが家までおぶって来てくれたらしい。
だが不思議だ、体に疲れがない…この回復力…半端ないな。(しかし右腕が回復していない…なぜだ?回復力といっても、かすり傷だとか、刺し傷は治るが切断までいくとその傷は治らないのか…)
そして昨日言われたことが確かなら一週間後またロキとかいうやつが来るってことだよな……
不安だ……何もかも…あれはまぐれでただ突けただけで、次はないんじゃないのか?神の力ってどのぐらいの力を持っているのだろうか?
そんなことを考えているうちに登校する時間になってしまった。
いつもと変わらない通学路。そこにまたあの声がする。
「おっはよーーーー!!!」
愛美だ。でもまあこの声を聞くのも俺にとっては好都合だ。
「ん、おはよ。なあ愛美、親父さんと兄貴さんの件はどうなった?」
「んー?全然オッケーだってさ!」
「そっか、じゃあ今日でもいいかな。」
「私は構わないけど、」
「じゃあいいな」
「ちょっと待ってよ!私は構わないけどお父さんは分からないわよ?」
「狼……みたいだろ?」ボソッ
「今日でも全然オッケー!」
と愛美に交渉し、今日義手関連の話をすることになった。
今愛美と一緒に下校してるのだが、俺は初めて女子と一緒に下校するし、初めて女子の家に行くので。
今ものすごく緊張している。
「でね~あの駅前のケーキ屋さんがうまくてねー……」
何を言っているのか全く聞き取れない。
こんなに緊張するものなのか。と自分が恥ずかしくなっているうちに…
「ここが私の家!」
「!!!!????」
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