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命の先にあったもの(仮)  作者: 星風
冒険者編
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4話_レアナ

異世界で、奇跡の再開を果たした俺たちだったが、

状況は決してよくはなかったのだった。


「もうわかってると思うけど、

私は攫われたの。」


って、ズタブクロから出てきた時点でわかっていた。

問題はそこじゃない。

いや、確かに問題だが、今はそこじゃない。


「15人の集落で、

村長、警備兵、世話をしてくれた女性たち、後は農夫

そういった村だった。

私以外には子供は居ない。

皆にお嬢様と呼ばれていた。

この世界はこういうものだと思っていたのだけれど、、、

外に出ることも許されなかったし。」


皆からお嬢様と呼ばれ、世界から隔離。



「数年前に、この世界の母が亡くなってしまったけれど、

それでも平穏だった。

急に変わったのが昨日。

村は襲われた。

私以外、みんな死んだ。

私は、このペンダントを見た人に拘束された。」


『これ、アリエステ王家の紋章だよね?』

刻まれた紋章が、師匠に見せられた地図に載っていたで知っている。


地図といっても、悪魔だ、天使だ、妖精だが刻まれて、海の果てが滝になっているやつだから、当てになるのは国の配置順と刻まれて いた紋章くらいだろうが。

地形も怪しいらしいいい加減な地図。


で、彼女の反応は、


「王家?

なにそれ?」


『だってほら。』

俺は師匠の荷物から地図を出す。


「確かに、同じ紋章、、、、。」

村には地図も無かったらしい。

完全に知らされず育った感じだな。

何らかの理由で王家と離れ、秘匿されていたと考えるに十分な情報とは思う。

彼女自身は、物心ついたころからその状態だったため、

この世界はそんなものと思っていたらしい。


「そのあと、これを刻まれちゃったの」


と胸元を開いて見せられた。

双丘には至らないが、これはこれで、、、、、、あれ?


『奴隷紋だね、これ、、、、』


「え?

奴隷?」


『そう、国が犯罪者や破産者に刻む紋章、見たのは初めてだけど、、、、。』

師匠に見せられた資料に載っていたので覚えていた。


通常、奴隷紋を刻む能力を持つ者が野盗や、軍や冒険者そういった類のものに同伴することは無い。

師匠に教わったことだが、奴隷紋を刻めるのは、召喚魔法をつかえ、

かつ、王家等の許可の元、特別な儀式を行って使えるようになるそうだ。

もちろん、国に完全に監視下に置かれる。


そんな人間が、今回同伴していたわけで、

当然、国の関与が疑われるわけだ。


状況証拠はそろっている。


『どうやら、お前、

お姫様らしいぞ。

それも訳ありの』


「え?

お姫様?

訳あり?」


俺は、これまでの推察をかいつまんで説明する。

つまり

「ペンダントの紋章、騎士、メイド、、、、、確かに不思議ね。

今までこんなものだと思っていたのだけど、、、、異世界だし」




まぁ、とりあえず、


『方針は決まったな。

お前に王家が関係していないわけがないと思う。

それも、命は分からないが狙われている。

それらを考えると、少なくとも、アリエステには近寄らない方が身のためということになるな。

でだ、問題はその奴隷紋だ。

俺は一応冒険者として登録している。

所有者の居ない奴隷は拾得物として、自分のものに出来るらしい。

幸い、所有者が刻まれていないようだし。』


「うん、それでいいよ。

解除できないなら。

ううん、アスナがいい。

私のご主人様になって、、、、」


むむ、かなりドキッとするセリフ、、、、

ああ、本心か。

今でも、思っていてくれたようで、俺もうれしい。

俺が別れて10年ほど

彼女は、16年ほどたった、、、わけではあるが。


制振の年齢は、彼女の方が上か??

まぁいい。


目的地だが、心当たりがあったので、


『そしたら、一度ライズ村に戻ろう。

たしか、紋章師がいたはず。』


紋章師は、召喚魔法をつかえ、召喚獣に紋章を刻み込む。

所有者の刻み方も知っているはずだ。

奴隷紋をはずせればベストなんだがな、、、、。


ちなみに、今彼女との会話は懐かしの日本語だ。

聞かれることは無いだろうが、彼女も自然な形でこうなった。

今後も内緒な話には暗号変わりに使える気がする。


その後、念のためと、馬車に戻り、積荷を確認した。

食料と、金銭、アリエステ王家の従者のメダルなどがあった。


そして、もう一つのズタブクロにも問題が潜んでいた。


『これ、卵だよなぁ?』

「タマゴだよねぇ、、、」


『もしかして、これが龍を呼んだのか?』


色々と策略を感じる今日この頃であった。

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